頭ポンポンで100年の眠りへーイタリアで初入院&手術体験記〈後編〉

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と、言うわけで初体験尽くしの入院&手術@イタリア体験の続きです♪

ヒゲの看護師さんに付き添われ、スケスケ手術着&カーディガンで病室から手術室階に移動し、いよいよ“立ち入り禁止マーク”のドアの向こうへ…。

手術前準備室で刺した点滴用の針は、針じゃなかった

まずは手術室前の準備室のようなところに通されました。

麻酔医(出産立会いで大忙しだった手術前懇親の先生とは違う若いハゲた人)が点滴の準備をしてくれるようです。

「日本人?なんでパレルモにいるの?アモーレのため?」

内容のないおしゃべり…で、緊張をほぐそうとしてくれようとするのは、イタリア人の優しさ。ですが、黙って集中してくれ!とつい思ってしまう。心に余裕のないつまらない人間ですよ、ええ、ええ。実際、極度の緊張で心に余裕はない。

「手の甲はやだ?じゃあ、腕ね。はい、握って開いて握ってー…」で、ブッスリ。

ちょっと待て!肘の内側の”曲がるところ”に刺してやがるじゃあないですか

こっわ!と硬直したまま寝ていたら、様子を見に来てくれたトマジーノ先生が「あら!なんでこんなに腕伸ばしたままなのよ」と。

あのおしゃべり麻酔野郎が、下手くそで(とは言ってませんw)!「肘を曲げたら針折れそうなんだもの」と言うと、

「針なんか刺さってない!ほらっ!」

と言うや否や、グイッと腕を曲げたのです!

ぎゃ〜!

…経験ある方はご存知かと思いますが、針じゃないんですねぇ、プラスチック製の細いカテーテルなんですねぇ。だからってこんな風に曲げで良いんでしょうか?!

「手術初心者に乱暴するなー!」と訴える患者に「わかったわかった」と手を振り手術室に戻ったトマジーノ先生の声。

開けっ放しドアから、手術室内での会話が聞こえてきました。

「ねー知ってる?!日本の産婦人科ってねーカーテン越しに診察するんですってよ!」
スタッフ全員「へーーーーー!」

く…またその話をするのかっ。もうかれこれ2年くらい前の話なんですけどね、この話をしたのって。イタリア人にとっては顔の見えない診察は、なかなか想像を絶したようですね。慣れた話し振りから、ネタにしてるのがよくわかります。

埋まらない異文化の深い谷を覗き込みつつ、腕を硬直にして(結局、コワイ)しばし待ち、ストレッチャーに乗せられ、手術室入室となりました。

初めての手術はおじいちゃん先生の頭ポンポンから…

初めて生で見る”手術室”。

ドラマで見るのと同じライト!ちょっとワクワクしちゃって、キョロキョロと落ち着きなく周囲を観察していたら、執刀医らしいおじいちゃん先生が「大丈夫だからねー寝てる間に終わっちゃうよ〜」とニコニコしながら、頭をポンポン!優しい〜(涙)。っていうか、頭触っていいの?!切るわけじゃないからいいのか…。

そして…麻酔入りますよ〜の声。

視界がグラングランしてきた…。

肩を叩かれ、目を開けるとヒゲ看護師さん。

「終わったよ」

は?!え?…と呆然としながらゴロゴロ手術室の外に出ると、ピンキー(夫)。

「Tutto bene?」に続いた言葉に完全に目が覚めたw。

「あれ?なんか若返ってる!」

全身麻酔ではなくいわゆる鎮静剤?だけでしたが、もんの凄い効きっぷりでもんの凄い深ーくよーく眠れたようです。日頃の疲労をすっかり解消!100年の眠りから覚めたかのような、相当にリラックスした顔をしていたようです。

マジかー。だったらもうちょっと寝ていたかった!起こさないで欲しかった!とブーブー言ってる間に、病室に戻されました。

食事が出ない日帰り入院、付添いに買ってきてもらうか自力で用意

こんな点滴を2本ほどしてる間に、

隣の戦友(ずるいおばちゃん)も無事帰還。お互いご無事で何よりでした。

ずるいおばちゃんは、「喉乾いた」「あそこが痛い、ここが痛い」「お腹すいた、何か買ってきて」と付き添いのご主人を小間使い扱い。

ご主人は、パスタ・アル・フォルノを買ってこようとして怒られたり(たしかに病人に、あのパスタはハードモードでしょうよ)、目が覚めた時にいないと怒られたり。何かと怒られがちでしたけど、イタリアの典型的な仲良し夫婦の賑わいは、手術後には癒しw。

日帰り入院は食事が出ないので、自力でなんとかするしかなく、ピンキー(夫)は、お向かいのBIOショップで身体に良さそうなビスケットとクラッカーと、謎のスムージーを買ってきてくれました。

全体のチョイスがパッサパパサ!ずるいおばちゃんだったら怒ってただろうな

おじいちゃん院長先生やトマジーノ先生の術後診察も終わり、寝たり起きたりダラダラして、夜には点滴を外して帰宅。

初入院&手術は無事終了です!

* * * * *

終わってホッとしました。
なおかつトマジーノ先生の言う通り、

全然痛くなかった!

のが、何より嬉しい小心者です。
一番痛かったのは、術前検査の採血

とても大した事のない手術なのに必要以上に怖がりすぎて、壮大な3部作になっちゃいましたw。長々お付き合いありがとうございました!

コメント

  1. しんしん より:

    お疲れさまでした!三回シリーズ、面白かったです。
    とにかく痛くなくてよかった!最後までドキドキ!!
    一番感心したのは「瓶」の点滴です。
    日本では通常見かけないのでホルダーや口金具含めてドラマの世界?!
    洗剤詰め替えパックみたいな点滴より効きそうな気が・・・瓶入りコーラのほうが美味しいみたいな(笑)

    • sawabon より:

      >しんしんさま

      ありがとうございます❤︎。
      なるほど、たしかにガラス瓶でしたねー。
      プラスチック製はウミガメ問題があるから…エコではありますね!
      そういえば、最近流行りのおしゃれBIO炭酸ジュース系もみんな瓶ですね、そういえば。。。

  2. RU より:

    sawaさん初入院&手術お疲れ様でした。そして何より無事に済んで良かったです。

    来月のツアーに差し障りなくて本当に良かった。

    イタリアの産婦人科のカーテン、待合室の様子、イタリア人夫婦のあるある

    へぇ~! がたくさん

    医学の進歩ってありがたい。ポリープは身体にメスを入れなくても取れるのだから。

    私の大腸癌も内視鏡手術だったので4日の入院で済んじゃいましたから^^V

    これからも無理はなさらずにご活躍ください。

    大事に至らず、にゃんこせんせいとボンちゃんもホッとしていることでしょう。

    よろしくお伝えくださいませm(_ _)m

    • sawabon より:

      > RUさま

      ありがとうございます❤︎。
      正味30分くらいでしたから…医学の進歩はすごいですね!
      サクッと終わってイタリアの医療もなかなかです(むしろいろいろ早くて良いかも?)。
      この機会に、ってな感じで小さく体力作りとダイエットを頑張っております(間に合わなくなる前にw)!

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