ボン先輩、とうとう海峡を渡りました!
あ、泳いでじゃなく、船で…ですが。
辛い名産品を探しに!シチリアからカラブリアへ
カラブリア州は、イタリアの中でも特に「辛い料理」があることで知られています!
今回は、某企業様の視察(ボン付きオーダーw)で、辛い物めぐりをしてきました。いやーカラブリア…わざわざ「辛い物めぐり」などと銘打たなくても、普通の食事がすでに辛い…ことを知った衝撃の旅でした。
ボンの旅の様子とセットで、カラブリアの辛いゴハンをご紹介します。
シチリア島メッシーナから渡し船で、イタリア半島に渡る
シチリア島とイタリア半島の端っこカラブリアは、とーてーも近い。

まずは、車をカーフェリーに載せて、カラブリアへ。約20分の小さな船旅です。まさに、渡し船って感じ。


カジキマグロ漁で知られる、海流も早いメッシーナ海峡は、吹き抜ける風も強かったw。耳を激しくパタパタしながら、カラブリア到着です。
日本からの皆さまをレッジョ・カラブリア空港でピックアップし、とりあえずホテルへ着くも、あまりに遅い時間だったため、夜ごはんはライトにピッツァ。
普通に「サラミ」でオーダーしただけなのに!
普通に「辛いサラミ」でした。
ディアボロ(辛いサラミ載せ)とわざわざオーダーしなくても、すでに辛い。
辛いのが、デフォルト(((ノ゚⊿゚)ノ!と驚きましたw。
カラブリア州イオニア海沿い小さな村へ
翌朝から早速お仕事(ボン付き)。

イオニア海に面した小さな町(村?)の市長(村長?)に表敬訪問からスタートです。


市長室まで、誰の案内もなくズカズカ入れた上、犬も無問題wのセキュリティ、ゼロ!の、のんびりした市長室からは、絶景が眺められました。素敵な環境でお仕事されてますねー。
村の歴史をじっくりお聞きしたり、お土産いただり、お散歩したりなんかもして、

歓迎を受けた訪問は無事終わり、名物を食べるべく辺境のアグリツーリズモへ移動です!
辺境のアグリツーリズモで本場のカラブリア料理を視察!
辺境とは、まさに言葉通りで、電話線も来てませんでしたw。
なんかものすごいとこに来ちゃったな感は満載でしたが、お料理は自家製ばかり!さすがです。




全体的に赤い料理の連続に驚きますが、なんたって驚いたのは、これ。

ヌテッラの瓶に入った赤々とした唐辛子が、テーブルに何気なく置かれていたのです。
カラブリアの食卓で気付いた「カラブリアは辛ブリア」!
すでに辛い料理のどこに唐辛子をかけろというのか…w。その上、味見すると、極上の辛さ!
そうか…。
カラブリアのカラは辛なのか!
辛ブリア~~~!!!
電話線すらない辺境の中心で叫ぶ。
これが、気づきというものか。
ところで、辺境アグリのお部屋には、テレビがありました。でも、電話線もないくらいなので、映りません。
「じゃ、なんで置いてあるんだろう?インテリア?」
知らないこといっぱい。
想像できないこともいっぱい。
世界は思ってるよりも広いようです。
唐辛子の使いっぷりと赤く染まった指サック
アグリツーリズモでは、キッチンの視察もさせていただきました。


あっちもこっちも唐辛子。
ホントにこんなに毎日唐辛子使ってるんでしょうか?お客用に、ちょっと誇張してるんじゃ?
と、思ったら大間違い。パスタ作りも見せてくれたおばあちゃんの指サックにご注目!


キョーレツです。
そもそもなぜ指サックかと言えば、切ったから。切り傷で唐辛子料理…ヒー((((((ノ゚⊿゚)ノ((((((ノ゚⊿゚)ノ((((((ノ゚⊿゚)ノ
カラブリアの方は、舌も胃腸も唐辛子に鍛えられて強そうだけど、根性も強そうですね。
村のカラブリア食品工房見学、唐辛子の赤が眩しい!
翌日は、村にあるカラブリアの名産品を作る工房にお邪魔しました。

イワシを唐辛子で漬けた一品ですが…これが、激ウマ!でした。
糠漬けのようなものですが、糠の代わりに唐辛子で発酵させた。みたいな感じです。発酵の旨みと辛味がたまりません。
あ!ボンちゃん、ダメ~~~!

犬に唐辛子はダメ。と一般的にはなっていますが、そこにいたカラブリア人の皆さんは、全員で「大丈夫」って言ってました…。ウソーンw。
カラブリアの犬は、唐辛子も食べるんでしょうか?
カラブリア名物「ンドゥイヤ」の工房へ
憧れだったンドゥヤ工房にも邪魔しました。ンドゥイヤは、豚のいろいろと唐辛子を混ぜ込んだカラブリア名物です。

うっかり食べてもいけないので、ボンは外で待機させましたが、「入れろー」と鳴いて(吠えはせず、泣くんですよ、この子)うるさいうるさい。
すると、工房のお姉さんが豚肉に切れ端を、ポイッ!とくれましてね…。ええ、生のヤツをね。

ボンは、投げられるままにパクッ!と食べちゃいましたが、心配症の飼い主はビビりました。
…犬って生の豚肉、食べてもいいの?(相当に新鮮そうではあったけど)
そんな心配をしながら、人間には、辛いサラミや、まあまあ辛いサラミ、ンドゥイヤをポイっとw。試食させていただきました♪

…豚肉解体中のテーブルだったのが気がかりですw。
いろんなことが、ざっくりますなぁ。やっぱり、唐辛子で犬も心根が丈夫なのかもしれません。
カラブリア人にとって唐辛子は、辛くないらしい
辺境のアグリツーリズモに戻った夜、指サックを唐辛子色に染めたおばあちゃんが、自慢の食材倉庫を見学させてくれました。

自家製サラミ(辛い)や自家製サルデッラ、自家製オリーブの塩漬けなどなど、素敵な食材のほかに、ふっるーいお鍋もいっぱいありましたが、これらは何と「嫁入り道具」ですって!


辺境の山の中で、代々、唐辛子と共に暮らす人々にとっては、「唐辛子は辛くない」そうですよ!思わず、「え?」となりましたw。
辛ブリア~~~!
キミたちにとっての辛いものはなぁに~~?!
と、再び辺境の中心で叫ぶ…。
カラブリアの野良犬と友情を育んだボン先輩
今回泊まったアグリツーリズモには、巨大なワンコが4匹飼われてました♂♂♀♀。
男女のグループに、”よそ者”でしかも未去勢のボン先輩を投入すると、流血騒ぎになる可能性も高い。ので、オーナーさんから、「リード放さないでね」と言われてました。
言われなくても、放しませんよ!唐辛子を常食してる♂なんて、超コワい!
しかし…あとで判明したのですが、男女のグループは、全員ちゃんと繋がれていました。
この手のアグリツーリズモだと、敷地内で放し飼いにして番犬の役割を担ってもらったりするものですが…。しかも、電話線もない広大な土地。
となると、野良犬が敷地内に入りたい放題になるわけです(余計心配)。

オーナー家族さんは、「困ってるのよね~」程度で、特に気にする様子もないので、「お宅の飼い犬4匹を放してみては?」と聞いてみたけど、そうね。で終わるのが謎でした。
朝、「あそぼー」をしにきてくれた野良犬は、♂でしたが、よく見ると1歳未満の子犬っぽい。
♂でも成犬になるまでは、オス同士で遊ばせられるので(戦いにならない)、ボン先輩を解き放ってみました。飼い犬の監視もないし。

そして、再会♡(オス同士だけど)。

っていうか…。

と、匂いを嗅ぎ合っていたので、ちょっとヤバいかな?と思ったけど、気の良い2人。ジワジワ仲良くなって、2人で追いかけっこなどをして遊べるようになりました。

辛さの合間に、和む犬たちの宴。
しかし、なんだかカラブリアは、野良犬の数がすさまじかったです。その上、でっかいワンコも多くてね…。徒党を組んだら危ないんですよねー。
捨てられた子が育っちゃって、繁殖しちゃって増える一方なのかもしれません。自然がいっぱいだから、自由でいいかもしれませんが、幹線道路では事故死体もいくつか見ました。
途中で飼えなくなって捨てるって、どういう心理状況で引き起こされる行動なんでしょーかね。
電話線もないのにテレビがあることより、理解不能。
捨てられたワンコたちが不慮の死を遂げた場合、その呪いがすべて、捨てた人たちに降りかかることを、心の底から願ってます♡。
田舎の単線、ドライブ、イオニア海で初泳ぎ?!
視察の途中に見つけた小さな小さな駅。



視察の皆さんとも、すっかり仲良くなったボン先輩を載せたドライブ途中に、

ボン先輩が見つけたのは、イオニア海!


季節外れの今年の初海泳ぎ…なんてことをしてくれましたw。
ラメツィア・テルメで赤いトラウマ
視察の最終日は、ラメツィア・テルメへ。ここから経由して日本へ帰る皆さまを送ります。
ラメツィア・テルメは、テルメっつーくらいだから温泉があるのですが、時間がなくて行けませんでした。まあ、一度の旅で全部やりたいことをやりきらない。というのもオツなものですよね。
町は、シーズンオフなのか、また想像を超える閑散ぶりでした。

町で開いてた、たった1軒のレストランで最後の晩餐。
サッカーのTVをつけた地元客しか行かないようなピッツェリア・リストランテで、微妙なwアンティパストをいただききながら、全員が願ったのは、「辛くないものが食べたい」。
小さな望みを叶えるべく、とっても親切なお店の人に言うと「具は、俺に任せろ!」
しかし…やっぱりンドゥイヤが乗ってましたwww。
やはり辛いのは、デフォルトなのか辛ブリア。いや、彼らにとっては「辛くない」らしいから仕方ない。
そんな辛い経験の連続で、少々参っていた私たちは、ビールの「ロッサ(赤)」の説明で「赤いビールですよ」と言うと、
「え?!唐辛子入りってこと?!」
とビビられたのが印象的。
トラウマになるほどの唐辛子責めにしてくれる、ああ、辛ブリア!
再び海峡を渡るボン先輩 シチリアへ!
そうして、ラメツィア・テルメ空港で日本人チームとお別れした後は、一路、シチリアへの船が出るサンジョバンニへ。

無事、再び渡し船に乗り、シチリアを目指します。


ボン先輩が、物憂げな表情でぼんやりしていたので、寂しいのかしら。と、目線の先を見ると、

アランチーナ食べてる人がいました。
とても元気に旅を終えることができましたw。よかった。
旅の記録はここでおしまい!長々とお付き合いありがとうございました!
▼真面目なバージョンはこちら。
編集後記|辛ブリアの本気の辛さ
旅の間、「辛い、辛い、辛ブリア~!」とブーブー言ってましたが、ンドゥイヤや辛いサラミ、オイル漬けにした丸唐辛子(ツナの詰め物)など、名物をお土産に買いました。
それらの品々は、パレルモでも売ってるけど、やっぱり、本場に行ったら本場モノを買いたいじゃないですかっ!
で、家に帰って、ワクワクしながら丸唐辛子を食べてみたら…
ちょ、もう、想像を絶する辛さっ!
口に入れただけで、口がイタイ!
飲み込めない!
この辺で売ってるのは、偽物なんだな…(だって、美味しく食べられるもの)。キョーレツな辛さに、カラブリアの本気度を感じました。
結局、のた打ち回りながら飲み込んだんですが、以来、どうも胃腸の調子が…。辛ブリア取材から戻ってから、しばらく胃腸の調子が悪かったんだけど、また復活です。
あ~桜の下で優美な和食でもいただきたいもんです。
▼パレルモ人もンドゥイヤ好き



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