メラノーマ上顎切除手術、途中で中止?!の衝撃と再び全身CTへ

どうもー皆さま、ボンジョルノ。

前回のお話:セカンドオピニオンに踏み切り手術日が決まったところまで。


▼ボン先輩 伴走マガジン「闘病記の裏側で」

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いよいよ迎えた手術の日

9月の手術を前に、8月末に血液検査をし、良好の結果を受け、「あとは手術日を待つだけ」の日々を穏やかに過ごし(マンチェスターの出張も無事終了)、手術前日は、

「ボンちゃんの右奥歯周辺は明日にはもうない。完全な状態でお散歩できる最後の日」

として、長いお散歩を楽しんで、当日。

何も知らない…ボン先輩を連れて、病院に向かいました。

上顎切除…キレイなお顔がどうなっちゃうのかな…

爽やか先生(癌専門医)と、動物の骨専門医と、術前最終カウンセリング。

「説明は、英語の方がいい?」と言ってくれた骨専門医は、インド人かな?と思うほどに日に焼けていたのが気になりましたが(バカンス帰りなのが歴然)、正しく手術してくれれば、そんなことはどうでもいい。

「マージン1cmで、上顎をアーチ型に切ります。鼻腔に影響がない程度で済むと思うから、外から見た感じはほとんど変わらずに済むでしょう。今夜から、ひき肉を柔らかいミートボールにしたのが食べられるよ」

とサクッと言うので、よくある手術で専門医にとっては大したことではないんだな…という印象を受けました。

「犬は、人間より痛みに強くもあり、想像するより回復も早い」という言葉にもホッとしました。

また鎮静剤痛かったよね…効いてくるまでご機嫌ちゃん…

また鎮静剤をして、ぼんやりしたボン先輩を手術室に届け、

「では、1時間ぐらい後に」

終わり次第、電話をくれる予定になっていました。

30分もしないうちに、スマホに着信?!

人間二人は、やることもないので、近くのバールへ。

「今は手術の成功を祈るだけ。きっとうまく行く。大丈夫」と、腹を括ってドーナツを食べていると、ピンキー(夫)のスマホに、病院から着信

手術室に入って、まだ30分も経っていません。

え?早くない?
もしや…麻酔で、
…呼吸停止?!

凍りついて、電話をとるも、混乱しちゃって何を言ってるか理解できないピンキー(夫)。

とりあえず、死んでない。

ということだけわかって、病院に走りました。

手術室に案内されると、ぐったりと寝入ってるボン先輩と、神妙な顔の先生二人が、「この画像見て」と言う。

そこには、手術室前にもう一度、念の為、撮った全身のレントゲン画像が映し出されていました。

「これと、これと、これ…ここにも。小さな粒が点々と見えるでしょう?」

ボン先輩の肺を移した画像に、先生に指されないとわからないくらいの薄っすらした粒でしたが、たしかに、点々と写っています。

肺に写った小さな影は、なんだ?

「これ…転移かもしれない」

息が止まりました。

「このタイミングで、手術の続行はできないから中止します。肺のエコーと、全身TACで確認してきてください。」

確認?何を?
転移を。

「で、もし転移が確定したら、上顎切除はせず、メラノーマが大きくなったら部分切除を繰り返して、化学療法などをしつつ、緩和ケアになるね…」

・・・・ボーゼン。

「ショックだと思うけど、まだ確定したわけではないからね!鎮静剤が効いているうちに、肺のエコーをモジャ先生のところで撮るのが良いね」

メラノーマは、転移が早いガンのひとつ。リンパ節と肺への転移が多いことで知られています。2ヶ月半も、メラノーマを温存しちゃったんだから…転移しててもおかしくはない。

この粒々が…、
転移じゃないなんてことある?
ないなんて、ないんじゃない?

・・・・すべてのやる気が失せましたが、爽やか先生がモジャ先生に電話して、緊急受け入れを整えてくれたので、手術費(約30万円)のうち、画像代(約5万円)だけをお支払いし、ボーッと肺のエコーに向かいました…。

肺に転移疑惑がなくて30万円の方が良かった。
急に1/6になっちゃってさ…。

それが、まるで残りの命の時間も1/6になったような気がして、寂しくて仕方なかったです。

エコー検査で、心臓がやや悪化してることが発覚

ぼんやりするボンちゃんを連れて、モジャ先生にエコー検査をしてもらうと、「エコーで映る範囲には、ない」といわれました。やはりTACが必要です。

※エコーは一次スクリーニング。転移が胸膜近くにあると、見えるそうです(奥は空気の反射で見られないらしい)。

ついでに診てもらった、いつもの心臓。ドックドックで発覚した逆流弁で経過観察中です。

8月中旬にもやってるのに、また?でしたが、せっかくなのでやってもらうと、「ちょっと悪化が見られる」と。

なんでしょうかね?
急にあれもこれもと。。。

「まだボーダーではあるけど、そろそろ、薬を始めても良いかもね」

心臓の逆流弁の症状は、安静時にハァハァするのが増えること。全身への酸素の供給が不足するから、息苦しくなるのが理由です。まだそんなに目立ってハァハァはしてないけど、肺の転移…これからどんどん呼吸が苦しくなるから、その準備?のつもりで言ってる?と思って、

先生!肺に転移って、この先どうなるんですか?苦しくなりますよね?そしたら、酸素テント?入院?

と聞くと、

鎮静剤が効いてウットリしてるボン先輩。ガクッとなっちゃうから足で支える…

「本当に苦しくなるのは、最後の最後だけど、そうなったら…眠ってもらうことを選択する人が多いよ」

…それ、安楽死?!

人間はまだ安楽死が選べないけど、犬は、飼い主が選べる。人間が、どんな権利を持ってるというんだろう?

後で調べたら、末期には、80%くらいの飼い主さんが安楽死を選ぶとAIが言ってました。

「でも、転移が確定してないでしょう?まずはTACの予約!」

とまた促され、帰りに道にピンキー(夫)が予約を入れている横で、私はアマゾンで、犬用酸素吸入機を探してました…。

だってもう、転移確定のTACなんて、本当に必要なのかな。また、怖い思いをさせてまで。死ぬのを確定させる意味ってなんなの?もう、気になるのはボンちゃんの呼吸とQOLだけ。

苦しい思いも辛い思いも、
もう、して欲しくないよ…。

もう、怖いのも痛いのもやめて!

しかし、ここでいきなり投げ出すこともできません。また麻酔をするので、鎮静剤が抜けるのを待ち、手術中断から2日後に、TACを受けに行きました。

麻酔の前の鎮静剤を打った看護師が、下手くそで、ボンちゃんが、「ミー」と泣いた…。

この子、転移確定のための検査なの。
バカバカしいけどやるの。
痛い思いをさせるな!

と、思わず叱ってしまった…。

TACの麻酔医にも、モジャ先生の最新心臓エコーのデータを、スマホで喋りながら見てたので、

あなた、失礼ですよ!
心臓悪いのに、無駄なTACやるのに!

と、怒ってしまった…。

いや、無駄ではないのはわかってる。でも、6末に撮ったTACで、いろんな検査地獄が始まって、結局転移なんてさ…なんだったんだ、あれは。だもの。

と言うと、

転移の初期の初期は、TACにも映らないミクロ転移というのがあるそうです。

だから、発覚直後、6末にTACを撮った時に、すでに転移していた可能性もあるから、もし転移していたとしても誰のせいでもないから。この2ヶ月半頑張ったのは、決して無駄ではない。

と、スマホ先生は言いましたが、

これは、爽やか先生、インド先生、TAC技師、看護士さんたち、受付の人たち。関わった全員に言われました。

だったら、それこそTACの意味ある?映らないものに、760ユーロって、詐欺じゃん。と思わずにはいられませんでした。最初から、痛い注射も怖い検査も、いらなかったんじゃなかろうか…。

ごめんね。嫌なこといっぱいして本当にごめんね、ボンちゃん。もう楽しいことだけして、過ごしていこうね。

もはや、無意味な感じしかしないTACを受け、「転移確定です」なんて結果はいらない。と思ったけど、診断書はもらわないわけにいかない(あまりの落ち込みっぷりを気の毒に思われたのか、120ユーロの診断書代は、無料にしてくれましたが、逆にやましい気持ちがあったのでは。とも思ってしまう)。

この時に、闘病記を書くことにしたんですよ。
もう先は長くないから…と思って。

しかし、ピンキー(夫)は、期待をまったく捨ていなかったんですよね。

「転移じゃないかもしれないでしょ!」

前向きっぷり…に、驚きましたよ。

続く。

▼ボン先輩伴走マガジンVol.5更新

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