どうも皆さま、ボンジョルノ♪
シチリア島パレルモに暮らしていると、日本と同じ魚?と思しき魚によく出会います。
今日は、日本の魚カツオ、ハガツオ、カンパチなど、似て非なる魚たちのイタリア語の名前、カツオは青魚なのか、ハガツオとの違いなどを深掘りします。また、日本語で「カツオ」と発音すると、”イタリア人にはNGワード”に聞こえてしまう話も!
「空耳の正体」から各魚のイタリア語、シチリア料理なのか和食なのか境目の難しいw国際結婚夫婦の簡単レシピ、そして市場のプチエピソード。盛りだくさんで、ご紹介します。
カツオは「トンネット」、日本語はNGワード”CAZZO”に聞こえる
カツオカツオ…日本語で「カツオ」と発音すると、場合によってはイタリア人に「カッツォ」と聞こえます。これ、イタリア語にすると、CAZZO(あ、書くのがちょっと憚られるわw)。
CAZZOの意味は、男性器。
イタリア語会話の中では、英語のFUCKの位置で使いますが、英語同様にできれば使わない方が良いワードでもあります。
ちなみに、カズオ、カズコなど「かず」がつく日本の名前も、時々「え?」と言われることがあるので、このお名前をお持ちの方は、自己紹介の時には「カズーオ」「カズーコ」と後ろにアクセントをつけて、ハッキリと言うのがオススメです。
カツオはイタリア語で「トンネット」で良いのか?考察
余談から入りましたが、本題です。
いつも行く魚屋さんで、「良いトンネット tonnettoがあるよー」と勧められた魚。

それは、カツオのように見えますが、「トンネット」はイタリア語で「小さなマグロ」の意味。
おっちゃんに内臓をとってもらった「小さなマグロ」を、日本の釣り師の友達に鑑定してもらったところ、「まごうことなきカツオ」とのことでした。

カツオって、小さいマグロだったの?!と疑念が湧いたので、ちょいと調べてみたところ…
トンネット(小さなマグロ)
スズキ目>サバ科>マグロ属>スマ族
カツオ
スズキ目>サバ科>マグロ属>カツオ族
惜しいw!「族」が違いました。
ま、でも概ね小さなマグロ=カツオってことで、良さそうですね。
カツオとハガツオは別の魚?イタリア語の呼び名はかなり違う
こちらは、近所の八百屋のおっちゃん(趣味が釣り)から買った、うっかりカツオと間違えそうな魚。おっちゃんは、「トンネットより美味しいヤツだ!」と言います。

マグロより小さかったり、小さいマグロより美味しかったり…魚介豊富なシチリア暮らしは混乱しますw。
こちらの魚の名前は、「パラミータ」。
「小さいマグロ」とか「小さいマグロより美味しいヤツ」などとは呼ばれず、ちゃんと名前があります。が、イタリア語のシチリア方言での呼び方なので、イタリア語では一般的になんと呼ぶのかな?と調べると…。
イタリア語では、「サルダサルダ」
日本語では「ハガツオ」
おお、ハガツオか!カツオとハガツオは、日本語だと混同しがちですが、イタリア語だと呼び名が全然違って、あー違う魚なんだな。とわかりますねー。
一応、また釣り師の友達に鑑定をお願いすると、「ハガツオにしてはシュッとしてる」とのコメントでしたが、まあハガツオってことにしときます。
ハガツオは、「すごいイワシ!」でもあるらしい
ところで、イタリア語名の「サルダサルダ」が気になります。
イタリア語では、単語を繰り返すことで”強調”を表たりするので。
例えば、「小さくて超かわいい」を「ピッコロ・ピッコロ〜」とか、「ナポリの旧市街の中心あたりの生粋のナポリ」は「ナポリ・ナポリ」と言ったり。
サルダはイワシ。つまり「すごいイワシ!」ってことなのかしらw。

相当な青魚ぶりが伺えますね。美味しそうです!
「リッチョーラ」は、カンパチか?ヒラマサか?
そうそう、イタリアでよく食べれる魚に「リッチョーラ ricciola」があります。
辞書的には「ニシカンパチ」となっていますが、「カンパチ」と訳すことが一般的。

(あ、これらのでかい魚を載せてるお皿のサイズが合ってないことには、着目しないでくださいw)
でも、顔的にヒラマサっぽくない?と思ってまた調べてみると。
カンパチ スズキ目アジ科ブリ属の魚
ヒラマサ スズキ目アジ科ブリ属の魚
なんだ、そこまで同じならどっちでも良いかw!
ってことで、「ヒラマサ」ってことにしておきました。天然高級魚感が高まって、味も120%増しになりそうだから。


カツオ、ハガツオ、カンパチのイタリア語名まとめ
イタリアでの呼び名まとめ
カツオ=トンネット(小さいマグロ)
ハガツオ=パラミータ、もしくはサルダサルダ(すごいイワシ)、
場合によっては「小さいマグロより美味しいヤツ」w
カンパチもしくはヒラマサ=リッチョーラ
カツオとハガツオで、和食・シチリア料理と簡単オーブン焼きレシピ
さて、これらのやや大きめの魚を捌くのは、ピンキー(夫)。サバをサバくのがやたらと上手いイタリア人が挑戦します。



我が家の魚鑑定士、日本の釣り師によるリモート指導とYoutubeで頑張っていただいています。
厚切りしすぎてw、大量に取れた中落ちや分厚いwエンガワは、ボン先輩用になります。→ズッキーニと焼いて、差し上げたら……一瞬で飲み込まれました。。。少しは噛んで味わえ〜w!
「カツオの竜田焼き」からのシチリア料理「チポッラ・イン・アグロドルチェ」
カツオ(トンネット)は、まず日本人妻が大好きな、竜田焼きに!


サックサクで、大変美味しくできました♪
大量に作った竜田揚げ。そのまま食べ続けてもよかったのだけど、公平に(?)イタリア人夫が大好きな、チポッラ・イン・アグロドルチェにスライドさせます。
持続可能性の高いおうちゴハンシステム。しかもインターナショナルで、SDGsを実践してる感じがします(自画自賛)。
甘酸っぱい玉ネギでマリネすれば、たちまちシチリア料理に!
アグロドルチェは、甘酸っぱい。の意味。チポッラ・イン・アグロドルチェは、甘酸っぱい玉ねぎでマリネした料理のこと。シチリア料理によくあるタイプの料理です。
残りの竜田揚げをマリネすれば…「はい、シチリア料理ー」(はい、タケコプターの読み方で)!
とても簡単です。
Tonnetto con cipolla in agrodolce
トンネット・コン・チポッラ・イン・アグロドルチェ
カツオの甘酸っぱい赤玉ネギマリネ
スライスした玉ネギを、オリーブオイルでサクッと炒めて、ワインビネガー&砂糖とパッソリーナ(干しぶどう)を加え、塩胡椒して味を整えたら、カツオの竜田焼きを浸せば、出来上がり!全てお好み量です。
カツオじゃなくても、サバでもイワシでもアジでも、なんでも青魚系に粉をまぶして焼いてアレンジ可です。

南蛮漬けより手間がかからないけど、まあまあ同じ趣になるのがミソですな。ゴハンにも、冷えたロゼにも合いました。
テキトーで美味しい!『すごいイワシ』のオーブン焼き
ハガツオ(パラミータ、すごいイワシ)は、オーブン焼きにしました。
Palamita al forno
パラミータ・アル・フォルノ
すごいイワシのオーブン焼き
耐熱皿にオリーブオイルをふりかけ、スライスした玉ねぎを敷き、厚めにスライスした「すごいイワシ」を重ならないように並べ、にんにく・イタリアンパセリを粗みじん切りにしてぶっかけて塩・胡椒。パン粉をまぶして、オリーブオイルをたっぷりまわしかけたら、180度に予熱したオーブンで20〜25分。焦げ目がついたら出来上がり〜♪
カツオ、カジキ、イワシなどに変えても同じように美味しくできます。

魚捌くので疲労するから、ぶっ込むだけのオーブン料理は楽でよろし(私は捌いてませんが、キッチンに漂う疲労感ってのがあって…w)。
和食とシチリア料理の間にあるのは、醤油だけ
シチリアと日本はお互い島国だし、魚をよく食べる民族だし、料理も似てくるのかな。と思うことが多々あります。特に、今回ご紹介したような青魚だと。
特に、南蛮漬けとイン・アグロドルチェのコンセプトは、同じ。青魚には、甘酸っぱい風味が合うって知ってるんですよね、シチリア人は。イワシなんか、新鮮なところを炭火で焼いて、頭から骨ごと食べろとか言われますしね。
シチリア料理なのか和食なのか、判別が難しい料理が多くて、日本人としてはとても助かります。体質的に。
互いの料理の決定的な違いは、醤油があるかないか。くらいなもんなんじゃないでしょうかねw(テキトー)!
どうぞ美味しい青魚ナイフを!
Buon pesce azzurro!


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