パレルモの夏はサンタ・ロザリア祭から!守護聖人の奇跡と熱狂の街角

どうもー皆さま、ボンジョルノ♪

いよいよ今年も「サンタ・ロザリア祭」が始まりますよ。シチリアの夏は、早くも真夏ですが…ここ州都パレルモでは守護聖人サンタ・ロザリアの祭りが本格的な夏の合図。ここから、美しい夏が始まります。

街中が熱気に包まれる壮大な恒例イベント、サンタ・ロザリア前夜祭は、現地パレルモでは親しみを込めて「フェスティーノ(Il Festino)」トレードマークのバラの冠を乗せたサンタ・ロザリアは、愛称「サントゥッツァ」と呼ばれています。

3000年の歴史が宿る港町パレルモに、今も息づく「信仰」。フェスティーノの概要と熱気あふれる街の様子に加えて、人々が愛してやまないサンタ・ロザリアとは誰なのか?その奇跡や歴史もご紹介します。

1625年から続く伝統のサンタ・ロザリア祭

パレルモの守護聖人サンタ・ロザリアを祝祭する「サンタ・ロザリア祭」の起源は、1625年にまで遡ります。

ペストが大流行していた17世紀前半。1624年7月15日に、サンタ・ロザリアが奇跡を起こし、ペストを収束させたことが始まりで、以来、1625年から毎年、7月15日に開催※奇跡の詳細は下記でご紹介。

2025年で第401回目を迎えます。

7月14日の夜、パレルモは熱狂に包まれる!

パレルモの人々が楽しみにしている感じや盛り上がりっぷりは、祇園祭と似てるかもしれません。そんなサンタ・ロザリア祭は7月15日が本番ですが、最も盛り上がるのは7月14日の夜

夜9時過ぎ、大聖堂でオープンニングイベントが始まると、サンタ・ロザリア像を載せた巨大な山車が、旧市街のメインストリートのひとつコルソ・ヴィットリオ・エマヌエーレ通りを降っていきます。

バラがトレードマークのサントゥッツァを乗せた巨大な山車が通るよー

クアットロ・カンティを通り、そして海沿いのポルタ・フェリーチェまで、約1Kmもの道のりを、ぎっしりと埋める人々。通り沿いのバルコニーや窓辺からも「Viva Palermo e Santa Rosalia!」と歓声が上がる中、信者たちに引かれた巨大な山車が、聖歌隊、ダンサーを伴い、ゆっくり、ゆっくりと進んでいくわけですが、その様子は、いかにも壮観!

毎年趣向を凝らした山車が見ものです

真夜中すぎ、大行列が海沿いに出ると同時に、これまた壮大な花火が上がります。それは、時に明け方まで続くことも…。

そして翌朝は、水を打ったように静まり返る街。粛々と宗教儀式が街の各地で行われます(完全な祝日となり、それぞれ海へ〜w)。かつては、5日間続いた歴史もあります。今も、6月後半から「祝サンタ・ロザリア」を冠した各種イベントが各地で開催されています。

現地での過ごし方はいろいろ、街で伝説になった?!我が家のパーティも

7月10日ごろから、イルミネーションや路地裏のデコレーションが美しく、夕方からのお散歩も楽しい時期。7月14日は、21時前には旧市街のメインストリートはブロック状態になりますので、移動はお早めに。

大聖堂やクアットロ・カンティに陣取り、舞台やショーを見学するもよし、山車が動き出したら、コルソ・ヴィットリオ・エマヌエーレ沿いで間近に見学するもよし。花火を目当てに真夜中の海沿いに繰り出すのもあり?!

※人混み&街中のテンションが高い…ので、安全確保は自己責任でしっかりが基本です。

パレルモの我が家の過ごし方は、毎年さまざま。

▼停電から始まった?!伝説のパーティ当時の生レポート

714の夜賑わうブッチリア市場のトラットリアへ

▼サンタ・ロザリアではなくマスカーニに救われたボン先輩

ボン先輩同様、あえてお家でのんびりも、なかなかオツ。冷房の効いた室内で、TV中継…は安全で楽ちんです♪

▼お祭り直前の新市街の様子


パレルモの人々が愛してやまないサンタ・ロザリア

さて、ここからは、パレルモの人々に今も愛される”サントゥッツァ”サンタ・ロザリアについて、もう少し詳しくご紹介してみましょう。

ペストを鎮めた聖女”サントゥッツァ”

サンタ・ロザリアは、12世紀に貴族の娘として生まれ、若くして修道生活に入り、パレルモ市内に鎮座するモンテ・ペレグリーノ山の洞窟に、隠遁した女性です。

敬虔な祈りのうち、若くして洞窟で亡くなったとされる彼女は、その後、人々から忘れられていましたが、ペストが猛威をふるった1624年。「ロザリアの遺体が山中にある」というお告げを受けたある船員が、その遺骨を発掘。すると、ペストが終息する…と言う奇跡が起きたのでした。

市民の強い信仰を集めたロザリアを、パレルモ市が公式に守護聖人とし、その翌年1625年に、彼女の遺骨は豪華な銀の聖骨箱に納められ、盛大な巡行が行われるようになったのが、フェスティーノの起源。

遺骨は、現在もパレルモ大聖堂の銀の聖骨箱に安置されています

ちなみに、パレルモの人々にとって、ロザリアは疫病から救ってくれた“奇跡の聖女”のみには止まらず、その愛らしい姿は、聖書的な神話の存在というより“友だち”や“姉”のような身近な存在。

パレルモの人気キャラクター。タトゥや街角の壁画で見かけることも

「サントゥッツァ(Santuzza/小さな聖女)」として、パレルモの老若男女の心に寄り添い続けています。

ゲーテも訪れたモンテ・ペレグリーノの洞窟教会

ロザリアが隠遁していた場所は、パレルモの街を見下ろす聖なる山、モンテ・ペレグリーノ

ボン先輩も大好きなモンテ・ペレグリーノ

トレッキングやサイクリング(?)、週末散歩でパレルモ人がよく訪れるこの山の頂上には、彼女の亡骸が見つかったとされる洞窟があり、洞窟がそのまま教会となって、今も信仰の中心になっています。

洞窟教会内のサンタ・ロザリア像

ゲーテでが訪れたことでも知られます。薄暗い洞窟内に置かれた金色のサンタ・ロザリア像のあまりの美しさを名著「イタリア紀行」にも記されていますよ。

▼ゲーテの言葉と詳細はこちらでどうぞ

7月15日は奇跡の日、毎年9月4日は、サンタ・ロザリアの命日。夜を徹して、洞窟教会を目指す習慣があります。中には、祈りの気持ちを込めて“膝で登る”人も…!

94信者に混ざって裸足で登ってみた!


と言うことで…パレルモに行くなら、知っておきたいサンタ・ロザリアの話でした!
Viva Palermo, Viva Santa Rosalia!

ボン先輩は年取って耳が遠くなるかと思いきや、むしろ過敏になりました。犬もいろいろよねー。

どうぞ耳に優しい良い日曜日を!
Buona domenica!

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