ボンちゃん0歳、約2ヶ月半。まだ外でのトイレができず、お家で新聞紙と仲良くなる…ところから初めていた頃。
シチリアの小さな田舎町へ。長いお散歩に行きました。
かなりの冒険でしたが、さらに現地の友人・知人に勧められるまま豚の骨をあげて、翌日まさかの血便!!!病院に駆け込み、先生に注意を受ける…飼い主として初の大きな失敗で、本当の飼い主になれた。と感じた事件でもありました。
子犬に骨は、いつから大丈夫なのか?イタリアの獣医さんの見解と合わせて、ボンちゃんが初めて美しいシチリアの田舎町も歩いた記録日記です。
シチリア島は海の幸のみならず!”山の幸”も激しくウマイ!
【再編集版】2012年2月に公開された日記の内容をもとに、修正・加筆し、2025年に再構成したものです。
ボンちゃんがうちの子になって、初めての日曜日の朝。
「近郊の町にランチをしに行くよー」とお誘い電話があり、まだ外歩きもままならないボンちゃんが心配でしたが、皆の「大丈夫だよ!だって、犬だよ?」の声に励まされ(というか押し切られ)、参加することになりました。
パレルモから、車で約30分の山間にある小さな町へ。
海も囲まれたシチリア島の内陸部には、広大な田園が広がっています。ちょっと車を走らせれば、食いしん坊ならがっつきたくなる(実際イタリア人はがっつく)”山の美味”に出会えるのが、美味しい、いや素敵なところ。


普通の人間日本人なら、ここでお腹いっぱい!終了…でしょうけれど、ここは、シチリア。シチリアでは、ここからが本番です!


実際、とーてーも美味しくて、なんだかんだと完食しがち。2品終わると、セコンドピアットの3品目が登場しました。

炭火焼きの豚肉のなんと美味しいことでしょう!
人間たちが「千と千尋の神隠し」の両親豚のようになっている頃、お店のオーナーさんがボンちゃんを構っているのが見えました。
子犬に、骨?!あげても大丈夫なの?「だって、犬だよ?」
あ、うちのかわいい子になにしてますの?

いや、待って。あげようと思わないで!
骨はまだ早いですよね?あと、人間が食事中には食べ物をあげないと決めたんですけど。←このしつけをしておかないと、レストランに連れて行きにくくなるから。
と言うと、また皆で一斉に、「心配し過ぎ~w!だって、犬だよ?」が始りました。ピンキー(夫)も一緒になって「大丈夫だよー」。。。なに空気読んじゃってんの、イタリア人のくせにっ!とイラっと来ましたが、当の本人を見ると、

興味津々で、しっかりかじりついていたのです!(だって、犬だもの…ね)

見事な食いつきっぷりに驚いていると、また「あっはっは、だって、犬だよ?!」と全員で。
ああ、そうですよ。犬ですよ。だけど…と心配する私をよそに、ボンちゃんはしっかり食べ切りました。

んー…まあ本人が喜んでくれたなら、いいんだけども…。
とモヤモヤしながら、食後は大量のランチを消化すべく、シチリア流の長い散歩が始りました。
イタリア式食後の散歩は、移動立ち話のこと
3時間くらいかけてこなしたランチの後、外に出ればすでに夕日…。そんなおかしなリズムで生きている人たちに混ざり、ボンちゃんも初めての村をお散歩です。

と言っても、散歩とは名ばかりで、話しだすと必ず止まるのがイタリア人の習性…。
さっきまで一緒にランチをしてたのに、まだ話したりないことがあるのか!ってくらい散歩しながら立ち話が続きます。そして、やっと歩きだしたかと思えば、バッタリ知人に遭遇。

もはま散歩というより、移動立ち話。
シチリア犬らしく保護犬同士で立ち話
そんな中でも少しだけ散歩っぽく移動をすると、

広場で戯れる地元の子供達と子犬に遭遇しました!
生後2か月のラウラちゃん。ぼんちゃんと同じく保護施設出身の子だそうです。

シチリアは子犬も立ち話か。いや、これはかわいい。しばらく2人の立ち話を聞き入った後、薄暗くなってきたし、そろそろ家に帰ろうか?となるかと思いきや、BARに移動して暖を取ろうなどとなりました。。。
どんだけ寂しがりなの?もう帰ろうよ!とは思いましたが、多数決に負け(民主主義)、また結構な長い時間をバールで過ごして外に出れば、もう夜。

無事に家に着いたのは、22時でした。今日は、ランチだったはず…。週末に「のんびり過ごす」となったら、もう徹底的にのんびりするわけです。時間感覚の違いを、まざまざと感じさせられます。
翌日の朝、ボンちゃんに異変で大パニック!
家に着くなり、ボンちゃんは、家に着くなり、オシッコとウ○チ暴発。。。
この長いランチから立ち話の間、一度もオシッコもウ○チもしてなかったから。まだ…外でできるようになっていなかったのです。
1日中心配し続けていましたが、やっぱり皆んなで、「大丈夫だよ。したければするから。だって、犬だよ?」が繰り返されていましたが、家の近所でもまだできないのに、知らない土地でできるはずがありませんよね…。
なのに、「そうかな?」と流されて、ずっと外にいさせてしまった…。安心してできるお家に着くのを、ずーっと待っていたんだ、小さな体で。と思うと、涙が出ました。ごめんね。。。
解き放たれて、眠りについたボンちゃんでしたが、翌朝。
ボンちゃんに、異変…!
起きると同時に、ゲロゲロゲロ~と嘔吐してしまいました。
保護施設でひいた風邪が、まだ完全には治りきっていなかったのか、ゼーゼーと苦しそうに胸を鳴らして、何度もゲロゲロ~(ll゚艸゚ll)!!!
続けて、激しい下痢。
そこには、血がぁぁぁぁ!!!混ざっていたのです!
獣医さんも決まっておらず、大パニックになりました。
子犬に骨はダメ!あげて良いのは永久歯が生えそろう頃
イタリア流に口コミで情報を取り寄せ、比較的近くて優秀と噂の獣医さんを初訪問。
診断は、気管支炎と消化不良。
獣医さんには、「こんな子犬に骨をあげるなんて!」と怒られました。
骨は生後6〜8ヶ月ごろから
骨は、まだまだ消化機能が弱いうちにはあげてはダメだそうで、だいたい6〜8ヶ月ごろからあげても良いそうです。それは、永久歯が生えそろう頃。
子犬の乳歯はとても脆く、硬い骨に負けて、歯が折れたり、割れたりすることもあるそう。

火が通った骨は硬く、むしろ危険
火が通っているから大丈夫かな?も勘違いで、加熱するとむしろ硬くなり(水分が抜けるため)、 乳歯が折れる危険のほか、割れて鋭利になり、発達してない消化器官を傷つけることもあるそうです。
中でも、豚の骨は、鶏や牛と比べても硬いんだそう…。
ちなみに、生の鶏の首や軟骨などだと柔らかく、消化もしやすいけれど、鮮度や感染の危険もあるから、まあ、なにしろ、信頼できるところから入手した骨以外は、あげない方が良いのかもしれません。

抗生物質の注射を打って、ひとまずお家で安静。となりました。
イタリア人の強引さに負けず、強い飼い主になろう
毎日の注射と抗生物質と乳酸菌の治療が始ると、みるみる元気になっていったボンちゃん(涙)。血便もすぐに止まり、咳も治まって、子犬らしい顔に戻ってくれました(鼻たれてるけどw)。

切りっぱなしでボロボロ…だけど気に入ってくれた!
なんとか大事にならずに済んだけれど、子犬は気を付けないと、すぐ死んじゃうそうなので…本当に無事でよかったです。

保護施設で風邪をひいて、譲り受ける前に「もう少し様子見る?(生き延びられるかどうか)」なんて怖いこと言われていたのに、寒い中を1日中連れまわし、言われるままに豚の硬い骨を食べさせてしまった…。
無責任極まりない!完全に飼い主の責任でした。
強引なイタリア人を相手にすると、自分の意見を押し通すのが面倒くさくなるときもしばしばあり、「あーもーいーよ、はいはい。好きにしてくれー」となりがちですが、ことボンちゃんのことに関しては、ダメ、絶対!
面倒くさがってる場合ではない!
ちゃんとしなくちゃ!
心底反省し、飼い主の心構えができた事件でもありました。


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