イタリアの保護施設からうちの子になり、「おうちに慣れて信頼の基礎を気づいた日の感動」。そして犬種を検討してみたりした話の続きです。
生後2ヶ月半の子犬にとっては、何もかもが初体験。
ベランダにさえ、上半身しか出せない怖がりボンちゃんを、初めて外に連れ出した時や、シチリア・パレルモ暮らしに欠かせない海を初めて見た時のこと、夜のブッチリア市場でのパーティー初参加の思い出も。
「本人が、納得するのを待つ」スタイルで過ごした最初の約3週間。行動を観察しながら、改めて子犬の過敏さにも気づいた記録日記です。
初めての首輪、初めてのリード、初めての外出は完全拒否
【再編集版】2012年2〜3月に公開された日記の内容をもとに、修正・加筆し、2025年に再構成したものです。
お天気も良く、保護施設で引いた風邪も8割くらい治まった「うちの子」になって4日目。人生初の首輪をつけて、いよいよ外に出てみることにしました!
前の晩、首輪を怖がっていたボンちゃん。朝の寝ぼけたところを狙って、カチッとはめてみましたが…初散歩に沸き立つ夫婦2人の雰囲気を感じ取ったのか、パニックに。まさに脱兎の如く逃げ回るところをキャッチして、リードをつけてみると…、
玄関とは反対の方向に、必死に引っ張って拒否されました。
「もしや…保護施設に連れ戻されると思ってる…?」
ピンキー(夫)がそんなこと言うもんだから、シーン(iДi)とした気持ちになってしまいましたが、このまま散歩に行けない犬になっては困る。
出かけて、そして戻る。
そう、自分のお家に帰ることを教えたい!
抱っこで出発!初めてのお散歩
ということで、抱っこ(拉致)で気に連れ出しました!

そして、ポンと地面に置いてみる。はい、外ですよ!

お、これは大丈夫そう?
と、思いきや、ダメでしたww!

慣れない空気、慣れない地面。怖がって固まってしまいました。
ビクビクして上手く歩けないし、引っ張るのもかわいそう。それでもちょっとずつ、ちょっとずつ。だましだまし一緒に歩いて、近くの広場へ。
太陽を浴びてひと休み!納得するまで気長に待つ
100mも離れていないのだけど、到着したら、まずはひと休みですw。

「まったくもって、納得できない!」な顔をしていましたが、しばらくそうっとしておくと、

周りに興味を持ち始め、太陽が当たっていることにも、気づく…。

すると、納得した顔になりました!

よしw!
すると彼の中で、何かの理解が進んだようで、トコトコ歩けるようにもなりました。一緒にいれば、大丈夫。を感じてくれてたら良いですが…さて、どうでしょう?

鏡張りのお店の前で、自分の姿に驚いたり(?)、他のワンコにおびえて固まったり、気になる匂いがあると全く動かなくなったり…初めての外歩きは、彼にとっては、なかなかの冒険。
新しい暮らしに慣れるまでは、何事もピアノ・ピアーノ(ゆっくりゆっくり)。ボンちゃんのペースで行きますよ。
シチリアの犬には海が必要!ボンちゃん、初めて地中海を見る
初散歩から2日後、パレルモ旧市街の海浜公園に行ってきました!
2月だというのに、コートを着ていると汗だくになるポカポカ陽気の日曜日。

芝生でゴロゴロ転がるカップル、ボール遊びに興じるファミリー、滝汗で走るおじさん。
太陽が出ると人も出てくるわかりやすい街、パレルモ。ここで暮らすボンちゃんには、そんなパレルモらしい週末の過ごし方にも、慣れてもらわねばなりません。
さあ、芝生だよ!はしゃいで良いよ!と芝生に置いてみても…。

尻尾はずっと垂れ下がったまま。子犬は、ところ構わずキャンキャングルグルグルキャンキャンするものかと思っていましたが、、、全体的に、とても静かなボンちゃんです。
繊細なのかな?慎重?
犬の性格もいろいろですね。
青い空、青い地中海!にも怪訝な顔…初めての海に戸惑う
海に近づいても、「納得してない」顔は変わりませんでした。

生まれて初めて見る海。なんだかさっぱりわからず、やっぱりコワいんでしょうか?
難しいを顔して、じーっと理解に勤めているようでした。

ゆっくり慣れていこうね!
夜のパレルモ旧市街へ!保護犬ボン、初めてのパーティに参加
うちの子になって2週間。生ぬるい風が吹く雛祭りの夜、友人のお誕生日パーティーがありました。
おうちにもだいぶ慣れ、いたずらっ子全開のボンちゃんをお留守番させることはできず、連れて行ってみることに。
友人宅は、旧市街ブッチリア市場にあります。
ブッチリア市場は、パレルモの観光スポットのひとつとして有名だけど、週末の真夜中ともなると、あっちこっちから重低音の音楽が聞こえるディープな夜のスポットにもなってるところ。ほとんどオープンエアのクラブ状態です。
友人の家は、そんなディープなブッチリア市場中心地に面して立つ、1500年築のパラッツォ。

パラッツォの下に到着すると、ロウソクがご案内してくれました。



パーティ会場は踏まれて危ないからずっと抱っこ
100人以上がごった返す家の中で、主役を探すのもひと苦労。
ボンちゃんを紹介しつつ、うろうろすると、「かわいいー!」と耳をグリグリされたり、撫で回されたり。大人しく人間たちのはしゃぐ姿を見つめ、されるままのボンちゃんでした。
人々の隙間を縫って、ワインを注いでまわっていた裸に蝶ネクタイ(パンツ有り)のイケメンが、ライティングが暗すぎて撮れなかったのが非常に残念でしたが、ボンちゃんも疲れちゃうかも、と早々に退散。
激しく賑わうブッチリア市場エリアから出て、ちょっと静かな裏通りでボンちゃんを下ろし、ストレス解消に少し歩かせてみました。やっぱり自分の足で歩きたいよねー。


家を出てから、ほとんど抱っこ状態でしたが、初の夜の街体験をしたボンちゃんでした!
うちの子3週間目でもまだ外出が苦手?!気難しいボンちゃんの謎
うちの子になって約3週間経っても、ボンちゃんを外に連れ出す時は、毎回騒ぎになっています。家から外までの道のりが長いw!
謎その1 首輪
まず、首輪をはめるときです。
リードを見せると飛び上がって喜ぶから、お散歩自体は好きになったんだと思いますが、首輪をはめようとすると、後ずさり…そして逃亡!したかと思えば、戻ってきて跳ねる。
で、近づくと…また後ずさり。の繰り返し!
しかし、「後ずさり」って、すごいさみしい気持ちになりますよねw。逃げるなら、パッと逃げてくれれればいいのに~。
首輪がコワいのかな?と思いきや、それはそうでもないようで、つければつけたで、ウッキウキ♪謎です。
謎その2 エレベーター
首輪をつけて、やっと家の外に出られたと思ったら、エレベーターの前で、これ。

しかし、グイグイと力強く引っ張って拒否し続けたかと思えば、ふとしたタイミングに、急に尻尾を振り出し乗ってくるから不思議です。謎すぎる。
で、乗ってしまえばまたウッキウキ♪謎です。

なんでしょうかね?エレベーターの稼働中の「ウィーン」という音がコワくて、一瞬拒否るのかしら。でも、乗ってる間に怖がったりはしないから、「乗る」って行為がコワイのかしら。
そして、無事エレベーターが地上階に到着すると、エレベーターから降りたがらなくなる!ので、エレベーター自体がコワイってことはなさそうです。
ズルズルと引きずるようにマンションの外に出て、3歩くらい歩くとまたウッキウキ♪ほんと謎です。
謎その3 玄関前で立ち往生
楽しくお散歩から戻る時は、エレベーターもスムーズに乗れるのだけど、今度は家の階で降りた後。玄関に近づくのを拒否します。
まだお家に帰りたくないのかな?と思いましたが、そんな単純なものではなさそう。何か苦手な音や手触り(肉球触り)があるのかも?
そして…しばらく観察してたら謎が解けました。
ドアの前に置いたマットが踏めなかったのですw!!!
イタリアの家は土足なので、靴の底の汚れを取るためのかなりトゲトゲしたドアマットが必ず置いてあるんですね。これがどうも、苦手らしい…。やわやわの肉球には、刺さりそうです。
良く見てると、家から帰る時のみならず、家から出る時も躊躇していました。

ピンキー(夫)を出迎える、ピント合わせなど不可能なほど歓喜しているボンちゃんですが、マットの先には行けませんw。飛び出して、抱きつきたいケド、ドアの手前で待つしかないもどかしい尻尾&お尻フリフリを眺めて、今日は涙を流して笑っています。
もしかしたら、首輪の感触、エレベーター内のゴムマットの感触、玄関マットのトゲトゲの感触…。感触に敏感くんなのかもしれませんね。
続き。



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