どうもー皆さま、ボンジョルノ♪
昨日、マッシモ劇場前で、謎のローマ兵と多数の苦悩するキリストに遭遇した後、映画を観てきましたー。
今、イタリアでも話題のシチリア映画Stranizza D’amuri(ストラニッツァ・ダムーリ)です。
追記:なーんと日本でも公開!11月23日に題名『シチリア・サマー』で全国公開です!
原題のStranizza d’amuriは、シチリア語。「愛の奇妙さ」「愛の不思議」ですが、シチリア・サマーの方がシチリア以外では分かりやすそうで良いですね〜。で、全編シチリア語なので、イタリア語との違いを楽しむ?のも面白いかも!
映画「ストラニッツァ・ダムーリ」シチリア映画の名作がひとつ増えた!
アムーリはシチリア語で、アモーレ。なので、キラキラの恋愛映画かと思いきや、、、。
1980年に、実際にシチリアで起きた事件をベースにした映画。当時の社会を描きだした訴えかけてくるもの多め!の社会派映画です(※マフィアの事件じゃないよ〜w)。

大人のまともなシチリア人なら、だいたい誰でも知ってる事件でもあり、イタリアでは有名なフィオレッロの初監督作品でもあり、映画館は興味津々意気込んだシチリア人で満員御礼でしたよ。
▼イタリア版トレーラー
途中から、すすり泣く人も多数…。
最後は号泣者続出!
一緒に行った友達なんかもう、大変な顔w、いや、爆泣きで立ち上がれず状態でしたwww。
まーシチリア人には、風景描写の懐かしさもあり、よほど心に迫るものがあるでしょうけど、そもそも映画自体がとても良かったんですよ。
パレルモで同性愛者組織Arcigay設立のきっかけになった事件がベース
さて、この映画の元になったのは、シチリア東岸の“超田舎町”ジャッレで起きた殺人事件。
惹かれあって恋に堕ちた、2人の若者(ジョルジョ(25)とトニー(15歳))が、最後は頭を撃ち抜かれて地元で殺された。と言うものです。
…2人の遺体は、手をつないだ状態で発見されたのだとか。。。
犯人はオモフォビア(同性愛嫌悪)。
愛し合った2人が、ただ同性愛者だっただけで、殺されてしまうなんて!と、当時、社会に大きな衝撃を与えた事件でもあります。(謎も多く未解決のままではありますが、、、現在は、犯人はトニーの甥とされてます)

この事件がきっかけで、同性愛者への偏見、差別、嫌悪に対する反発が高まり、事件の1ヶ月後には、パレルモでイタリア初の同性愛者組織Arcigayが誕生。今や、イタリア最大の組織に成長しています。
この映画は、殺されてしまった2人、ジョルジョとトニーへのオマージュ。
80年代頃のシチリアの極田舎にあった、同性愛者に対する強烈な偏見と、彼らを取り囲む人々の不寛容さ。そして、「過酷な周囲からの目」にさらされながらも、愛を貫こうとした2人の男子の純粋さが、とてもわかりやすく…激しく、美しく描かれています。
設定と空気感が、さすが!やっぱりシチリア人監督だね!
映画の舞台は、ワールドカップに盛り上がる1982年の夏のシチリア。
キラキラと眩い太陽が輝き、自然はどこまでも美しいけれど、そこにうごめく人々は、失業に喘ぎ、社会的政治的に打ち捨てられ、希望もなく過ごしている。
そんな諦めが蔓延する小さな田舎町で、美しい少年たちが偶然出会い、生きる喜びを見つけ出したはずだったのに…。

というような話なわけですが、主役2人の演技が上手いわ、登場する田舎のシチリア人たちが本当にいそうすぎてw、画面に吸い込まれましたー。
若いのにプラップラした”雑な生き方”や気だるさ、眉毛の繋がった兄弟、旦那がドイツに出稼ぎに行ってるシングルマザーの目の下に滲んだアイライン。
リアルな人物たちと空気感、当時のシチリアの匂いまでが香るようなシーンの数々は、まるで誰かのアルバムを覗いてるような…。(そりゃシチリア人泣くわー)
シチリア出身のフィオレッロ監督。多彩な芸能人として活躍する方ですが、監督として注目度爆上がり!なのも納得です。
またシチリアの名画が産まれちゃいました感高いですが..日本でも公開されるかな?
機会があったら、ぜひ!
ではでは、どうぞ良い水曜日を!
Buon mercoledi!
▼2023年夏発売号は、シチリア&トスカーナ特集!
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