イタリアで初の安楽死(医学的自殺幇助)と最後の言葉〜現地報道より

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どうも皆さま、ボンジョルノ♪

昨日、事故で身体の自由を失った通称マリオさんが、希望の死をようやく迎えられたことがニュースになりました。日本でも報じられたそうですが、「安楽死」となっていたのが気になりましたよ。

と、いうのもイタリアでは「安楽死」がまだ違法だから。

安楽死と自殺幇助と何が違うのか?

安楽死の合法化を求める声は増加しているものの、昨年秋には国民投票での結果もNOになり、未だ紛糾している問題で、現在可能なのは自殺幇助

憲法裁判所の判決(242/2019条)から条件を満たす場合のみ、自殺幇助の要求が合法的にできるようになってます。

安楽死 Eutanasia/自殺幇助 Suicidio assistitoの違い

安楽死の合法化を推進支援する協会のサイトに詳しいですが、簡単に言うと、安楽死 Eutanasiaは死に至る行為に医療者の介入があるもので、一方、自殺幇助Suicidio assistito は自らが致死薬の投与を行うのが大きな違いになります。

第三者(医療者限定)の介入があるかないか。ですね。

※自殺幇助といっても、医療的支援(致死薬の投薬)を受けた自殺幇助 Suicidio medicalmente assistitoになるので、ここからは医学的自殺幇助と呼びますね。

それでも、裁判所の適切な判断および倫理委員会による検証などなど、とてもとてーも長い手続きを経る必要があります。

イタリア初の医学的自殺幇助システムが適用

そんなわけで、今回のイタリアのニュースの件は、安楽死ではなく医学的自殺幇助という表現が、現地報道と一致します。

が、ちょっとわかりづらいし、日本語で言うところの「安楽死」のコンセプトとしては同じだから「安楽死」でもいいのかな?とも思いますが、いつもの意訳は一応現地風に後者で揃えますよ〜。

セニガリア(マルケ州)出身の44歳、「マリオ」として知られているフェデリコ・カルボーニ氏は、ご家族、友人たち、主治医、麻酔医、裁判のコンサルタント、弁護士などが見守る中、今朝11時5分に亡くなりました。 憲法裁判所242/2019の判決により合法化された、医学的に支援された自殺を要求し、勝ち取った最初のイタリア人です。

判決が下されたのは、2月9日。約2年もの法廷闘争を経て勝ち得たものでした。致死薬の投与用マシーンの費用5000ユーロは、全額本人負担。支援する協会の募金活動でも資金は集められました。

フェデリコ氏の最後の言葉:私は人生を終わりにするのを残念だと思うことを否定しません。もし残念でないというなら、私は偽物で嘘つきになる。なぜなら、人生はとても素晴らしく、たったひとつのものだからです。

でも、残念ながらこういうことになりました。私は、障害があっても最大限に生きる努力をしてきましたが、今はもう精神も肉体も疲れ果てました。日常生活の最低限のことさえできず、すべてを誰かに頼らなければなりません。まるで大海を漂う小舟のようです。自分自身の体調と将来の見通しを理解しているので、これからしようとしていることに対し、とても落ちています。共に闘ってきた支援協会は、私たちの国の歴史と法律に影響を与えるでしょう。あなたたちのそばにいられたことは誇らしく、そして光栄です。

今、ようやく私は自由に飛べます。私の行きたいところ、どこへでも。

専用の投薬マシーンで…

事故で四肢麻痺となって12年だったそうですが…そうなると、どうやって投薬したのか?が気になる…。

と思ったら普通に報道されてましたので、こちらも意訳。知りたくない方は飛ばしてねー。

第三者(医療者に限る)が介入すると安楽死で違法。判決に従い、医学的自殺幇助をするには最後の投薬操作を自身でしなければなりません。

マリオ氏は、想像を絶する努力で右腕をかろうじて持ち上げることができ、小指を動かすことができました。その小さな動きが、彼の生と死をつなぐものでした。

この彼の小さな動きに合わせた、専用投薬マシーンが用意されたとのこと。

ALSなど、完全に全身の自由が利かない場合は、この操作もできないんですよね。そんな場合はどうなるのだろう?割と最近、日本でありましたよね、ALS患者さんの自殺幇助事件。

2020年に安楽死をするためにスイスに行こうとして、イタリアで挑戦することに決めたそうですが、2年は長い。

そばにいたご家族は「死」という目標に向かって前向きに頑張る姿をどう見ていたのか…。その苦悩は計り知れません。

フェデリコ氏のご冥福とご家族の平穏をお祈りします。

倫理、宗教、法律、憲法…難しい問題ですが、オランダ、ベルギー、カナダ、ニュージランド…などに続いて、安楽死合法化する国は増えそうですよねぇ(そういえばピンキー夫の遠い親戚がベルギーで安楽死選択したそうな←今日イチびっくりしたわ)

いろいろ考えさせられるニュースでした!

ではでは、どうぞ良い週末を!
Buon week-end!

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