パレルモ市バス体験記〜気づいたら自分も夏のおばちゃんだった!編

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ここ数日、乗らないように努力していた市バスの洗礼を受け、消耗しきってるところでございますが、鉄は熱いうちに打て!ネタ(?)は忘れる前に書け!

ってことで、続編です。

さて、今回のバステーマは、「夏のおばちゃん」。

旧Ameba Blogからの転載記事です。



バス停でのおしゃべりは、だいたい悪口?!

市バスの運行本数はいったい何本なのか定かではありませんが、確実に夏は極端に減ります。

運転手さんが順番で夏休み取ってたりするのかもしれないし、どうせ利用者が減るでし?ってことなのかもしれない(皆んな、海に行って街には誰もいない)。

通常なら(通常なときがあるのかよ。って話もありますが)10分おきに来るバスも、20分おきとか30分おきとか。なんだかテキトー。

「●●行、あと▽分後」とかお知らせする電光掲示板なんか、あるわけないじゃんw?あ、たしか5年前のローマには、すでにあったなーそーゆーの。パレルモは市民生活の利便性なんかに興味ないんだろなー。

何も気にならないふりしてボンヤリ待ったりしてみますが、「いったい…いつまで待てばいいのかな~次の予定が立たないなー」というフツフツと湧く行政への不満は、なんとなく心が荒ませるものがありますね。すごく時間を無駄に”させられてる”感じで…。

で、そのイライラムラムラのはけ口として、バス停で待つ人たち同士で、おしゃべりが始まるんですけれど、何を話してるかわからない旅行者視線で見ると、

「コミュニケーションがあって、南イタリアはいいですねー」

なんて思っちゃうかもしれませんが、その話題ってさ…ほとんどが、悪口だからさ…www。理解できると、マスマス気持ちが荒みますよ、ええ。

悪口の対象は、パレルモ市のオーガナイズの悪さ、バス会社やイタリアのダメさ、税金の高さ、街の汚さ、人々のマナーの悪さ、旦那の悪口も加えて…もういろいろです。言ってる自分はどーなんだ。って気もしますがね。



迫力満点のおばちゃんに選ばれし同士よ…

そんな出来るだけ乗りたくない市バスでの病院通いが続いたある夜。

もう20分くらい待ったかなー。ホントに来るのかなー。と不安な気持ちでバス停にいると、2人のカワイイ女子がたっかいヒールでカツカツやってきました。上半身は、あと少しで見える♡露出度MAXなドレス。

「おやおや、これからパーティですかー。いいですねー。でも、バスでアクセスするんだな~高校生かな~」と微笑ましく見ていたんですけれども、

突然隣にいた、おばちゃんが、

「なーに~?!あの恰好!ブラジャーが見えてるじゃないっ!」

と。おばちゃん!心の声が声に出ちゃってるっ!

ぎょっとして見たら、うっかり目が合っちゃって、

「ねっ!」

と、やられてしまいました。この「ね」は「アナタもそう思うわよね」の「ね」です。

※一応、イタリア語の語尾で「ね」はないんですけど、「E’ vero?」的な語尾のアクセントを私の目を見てつけられる感じです。

「いやいや、私は可愛いと思うけど」なんて、とても言い出せるムードではない!生活の全てと世界に疲れたオーラ満載で、くさくさとした香りを出した迫力満点のおばちゃんに、反抗したら取って食われる。

そして、一度共感した(←おばちゃん的には)同士として、顔の向きが完全に私にロックオン。目線も外せません。

共感を強要され続けてふと我が身を振り返る

「あんな安物の服、見ただけでわかるわ。どこで買うのかしら…、

ねっ!

いや〜やめてーおばちゃーん。

「私は、アナタの恰好の方が好きよ。私も、ほら!動きやすくていいわよ…

ねっ!

ひー。

ああ、周りを敵に回した感じ…。

おばちゃんは、たっぷりしたお腹にピッタリしたTシャツを着て(え、なんで?)、ヨレヨレコットンのくるぶしパンツに、くたびれたサンダル。布製のエコバックみたいなのを肩にかけ、足元には、食材がどっさり入ったスーパー袋二つ。髪はバサバサ、シミ満載のお顔も脂が浮いちゃってテ〜ラテラ…。暑いですからね…。

そんなおばちゃんに賛同いただいた私の格好は、ちょっとゆったり目のTシャツに麻素材のダボダボパンツ、腰痛でも歩きやすいドクターショールのだっさいサンダル。どうせ汗でボロボロになるから、日焼け止め+眉毛だけのほぼノーメーク…。

はっ?!
しまった、似ている…。

暑い中いくらでも待つためには、やはりリラックスした格好でないと…それに、何かあってもスグ走れる靴じゃないと。と、利便性と安全性を追求した結果、完全におばちゃんと一致!!!していたのでした(合掌)。

えー気づかなかったYO!
そりゃ、「ね!」ってされるわっwww!

日々の疲労と不満で失われていく何か…

思ったことはすべて口に出すのがイタリア人(特に南イタリア)の特徴ですが、それにしてもおばちゃん、度が過ぎませんかー。と同士として心優しい気持ちで見守る。。。

言われてる女子たちは、慣れているのか意に介さずでしたけど。

そうして、やっとこさきたバスに乗った後もおばちゃんの同士(私)への絡みはおさまらず、

「私はサルト(裁縫店)で働いてるから、洋服の値打ちがわかる」だとか、「品のない恰好をする人間が増えて嫌だ」とか、グダグダと…見ず知らずの人間に、(ただ似てるってだけで)親しげにくっついてきてぶちまけ続けるのは、やめてー!

と私の心は叫んでいたけど、口から出ることはなかった。だって日本人なんだもん♪

バスを降りた時は、ホッとした!

って、だからたった数十分のバスに乗るだけなのに、なんなのーこの疲労感はっ!!!大事な人が一人入院している上、家のことも全部ワンオペ。それでなくても疲れてるのに、ますますおばちゃんに似てくるじゃないかっ!(おばちゃんも、いろいろ大変なんだろうな…)

心の余裕は見た目に出るなー。という怖い…wお話でした!いかんいかん。

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