どうも皆さん、ボンジョルノ。
地球全体が灼熱地獄と化している今日この頃。いかがお過ごしですか?
ワタクシは、ハードな取材から戻って以来…も〜いろんなことがあっちゃって、もー!この1週間で、5歳くらい老けました(5キロくらい痩せました。とか言いたいところだけど、なぜだか体重はキープ)。
さて、何があったかと言いますと!
市バスでね、いろいろとね…(白目)。
ああ、パレルモ…。
外から見ると、美しい街なのに…。
普段は乗らない市バス。いつ来るかわからないわ、混んでるわ、臭いわ、暑いわ!…できるだけ避けて暮らしてます。
ま~ヒドイ。ホントヒドイ。
こんなことあんのかよ!って話を3部作でお送りします!
本日はプロローグとして軽めの序章から。
※旧Ameba Blogからの転載記事です。
雨の夕暮れ時、怒号が飛び交う市バスにビビる!
さて、なぜ苦手な市バスなんかに乗ったのかーって話ですが、それは…ピンキー入院したから!ガーン。
そんな病院に通うために、さらに知らない路線…に乗り始めたのですが、初めて乗ったのは、奇しくも…夏には珍しく豪雨が降り注ぐ夕方のことでした(シチリアは夏の間はめったに雨なぞ降らんのです)。
バス停でしばし待ち、病院方面に向かうであろう路線のバスが到着し、オズオズと不安な気持ちで乗ってみると、
車内では絶賛ケンカ中!
…洗礼。
怒号が飛び交っていてコワイので、ピポットターンして降りようかと思ったけど、次はいつくるかわらかないし、外は豪雨だし。なんとなく耐えてみるつもりで車内へ足を踏み入れました。
車体を揺るがす怒号の口ゲンカ。
しかも、こてこてのパレルモ弁。
※シチリアには、シチリア弁じゃなくてシチリア語があり、パレルモにはそのシチリア語パレルモ弁がありまして、もうほとんど何を言ってるのかわーからーないー。
異国でのケンカは、内容がわからないとなると余計コワいもんです。
で、よく見てると(結局、凝視w)、
検札員(チケット持ってるかチェックする人が時々不定期に乗ってくる)数人VS
ダメな感じのパレルミターニ(男性)数人
の揉め事で、「チケット持ってない」「じゃ罰金だ」「ヤダ」「ダメ」みたいな内容っぽい。
実にくだらない!
そして、長いこと互いに怒号を浴びせあっていましたが、検札員が持ってたチケットに何かサイン(?)。パレルモ君たちはそれを1ユーロで買って(?)なんとなくことは終了し、検札員たちは降りていきました。
ん?
罰金は、50€だか100€だか?なのだけど、なんだろ?なんだろな?途中、ヒソヒソに耳打ちしたりしてたけど…。
きっと、何か通常ではない取引きがあったのかもしれない。そういうことも、あり得るんだろう、この街では。わからないことはわからないままにしておいた方がいいときもある…。
その後、ゆるゆると発車した車内では、騒いでいたダメそうなパレルミターニたちが、パレルモとイタリアの悪口をガンガンわめき合っていましたが、まあ、こんなのはデフォルト。
”平常”に戻った車内でぼんやりしていると、あることにふと気づきました。
あ。降りるバス停ががわからない…。
乗ってから誰かに聞けばいーや。と思っていたので、情報ゼロ。でも揉めてて誰にも声をかけられなかったのです。
平常とはいえやや不穏な空気が流れていましたが、勇気を振り絞り、そばにいた人に聞いてみる。
「あのぅ…●●に行きたいんだけど停留所はどこですかね?」
すると、
「俺が降りる次の停留所で降りればいいよ」
さらに、「運転手にも言っておいてあげるから、おいで」などと言い、運転席まで一緒に行ってくれる始末!(始末?)
こういう親切にイタリアに住み始めた頃(うん10年前)からご厄介になっています。今も相変わらず親切なんだなぁとちょっと感動もしました。ありがとう!(ただバスに乗るだけなのに、恐怖と感動と…触れ幅が広くてすでに疲労)
湿ったインパラの群れに押し流されて
そうして運転手のそばでじっと待機しつつ、とあるバス停で親切さんたちが笑顔で「次だよ!」と手を振りながら降りていきました。バイバーイ…アリガトー!って窓の外を見たら、人山の黒だかり!
え。
近くのオフィスかなんかがお昼休みにでもなったのでしょうか。すると、息つく暇もなく、人の山がなだれ込んできた〜!
サバンナの川を飛び越える集団のインパラの如く。ドドドドーっと乗り込んでくる人々に押しやられ、なんだか後ろの方に流されてしまった。。。ま、しょうがない。次の停留所だし、運転手が停まってくれるだろう。
と楽観しつつ、走り出したバスの車内で湿ったインパラ(外は雨だからね)に囲まれたままじっとしていると、
んっ?!…今、停留所なかった?
車窓は流れる、バスは進む、周囲は湿ってる。
ちょっと待ったー!インパラの群れをかき分け、運転手席までやっとの思いでたどり着き、「スミマセーン!今のとこじゃなかった!?」と声をかけると、
クッチャクッチャ…。
ガムを噛みながら、
チラリと私の顔を見た運転手。
……。
あっ!!!
忘れてたのかよ…この数分間で…。
「なんだよ〜そばにいないからさー。もう降りたかと思った!」(どこでだよっ!)
と、なんだか私のせいにしつつも、停留所でもなんでもないところで停まってくれました。
だーれもいなーい暗ーい車道にポイっ。ブィーンとインパラの群れを乗せたバスのテールランプが赤く照らす夜道を、ずぶ濡れになりながら、トボトボ1人で歩く。
ああ…寂しい。
…たった30分くらいのことではありましたが、これでさらに1歳は老けました。もう1ミリも老けたくないので、パレルモでは市バスに乗らないようにしてきたのだけど、まだまだ冒険のバス旅は続くのでした。
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