島の裏側には何があるの?好奇心を後悔した恐怖の崖っぷちロードで地中海に絶叫

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シチリアの北側に浮かぶ世界遺産、エオリア諸島は火山由来。西の端にあるここ、小さな島フィリクーディ島も火山島。人が生息するのは、海からちょいと顔を出した山頂ってことになります。

人が住むエリアと反対側は、どうなってるんだろう?

その裾野は深く深く…3000mとか4000mとか(怖)。ボン先輩が果敢に泳いだ海は、8mくらいの”浅瀬”でしたが、

その沖合から見た島の裏側(人が住んでるエリアの反対側)がこちら。

フィルターかけたみたいな海の色ですね〜オルトレマーレって青色です

何があるんだろな〜とグーグルアースで見学したりしてみると、たまに家っぽいのがあったりするんだけど、道路はなし。

聞けば、友人の家があるらしい…けど、家具はどうやって運んだの?!

暮らしてる人がいるの?!何があるの?なんて話をしていたら、”人が行ける最後のエリア”みたいなところに、ピンキー(夫)の昔からの友人で「フィリクーディ常連仲間の一人が別荘を持っている」と言うではないですか。

ただし、山道を徒歩のみで約1時間(そうだろね、グーグルアースにも道路はなかった)。

そんなところに別荘とは…どんな原始生活をしているのかしらん。火は起こすのかしら、仙人かしら、変わり者かしら。などとワクワクして、その別荘の写真を見せてもらってビックリ!

センスあふれる超絶素敵なインテリア!…インテリア雑誌にも載ってました。

秘境の野蛮なイメージとは真逆のギャップに驚きましたが、気になったのは…「どーやってこの家具や資材を運んだの?」ってこと。

聞けば、その人は某国の王女さま。なるほど、経費など考えなくても良い人が、誰にも邪魔されない究極の別荘を作ったっちゅーわけですか。本物のセレブリティは観光リゾートなぞには、ご興味ない、と。なるほどなるほど。

で、今、島に来てるとのことなので、旅の記念に本物セレブのお宅で、お茶の一杯でもご馳走になろうかね。と、山の裏側行きにチャレンジしてみた次第でございます。

いくら経費をかけたとて、家具を納入できたってことは、そんなハードな道でもなかろう。一部はヘリコプターで運んだのかもだけど。などと、そんな淡い期待を抱いて…。

いざ行かん!島の裏側へ!

さて、山歩きにはちょうどよい曇った午後。島の裏側”人が行ける最後のエリア”に向かう山道ロードの入り口へ到着。

ハハァン、この程度なら大丈夫かもー。と、のんきに写真を撮りつつ、進みますと、

ボン先輩は、ウッキウキ

だんだん、歩けそうな地面が無くなっていきました…。

山道って山の中にあるんじゃないの?!

ガードレールとかない山沿いの道。うっかり転んだら、海にまっさかさまー!しかも、斜面はトゲトゲのフィーキ・ディ・インディアがぎっしりですよ?

「落ちる前にその辺にひっかかるよ」

そりゃそーでしょうよ。ピンキーのそんな言葉は、なんの慰めにもなりません。

不規則な石畳(?)。つるっとした石の上に砂やら小石が乗ってて、す・べ・る・んですけどーーーーー!!!

頭上に木の根っこを見たら、それは崖崩れのよ・か・ん

つかまるところは、切り立つ崖の反対側の崖に生える雑草のみ。やばいやばいやばい、危険すぎる。足がすくんじゃって、もうほとんどまともに歩けません。

なだらかなように見えますが、背の高さから下を覗き込んでみたら、もう断崖絶壁なのよぅ!

写真どころの騒ぎじゃなくて(ピンキーが撮りましたw)、ヒーヒー言いながらもなんとか進み、約2時間ほど経った頃…(おかしい。全コースで1時間のはずなのに…)。

上方に木の根っこを見た。

それはつまり、崖崩れがあったと言うことですね?

怖い!

涙目になりつつ、木の根っこの下をなんとか通り過ぎると、なぜか竹で作ったガードレールがありました(もちろん崖側に)。ガードレールが守ってくれる!何この安心感!

「ああ〜!よかった!知恵のある人がこの島にもいるのねー!」

とグッとつかんだら、グイ〜ンと道の外側、つまり崖の方向に持ってかれた…。

ぎゃぁぁぁぁーーーーーー!!!!

うっかり下を見たら、カラダ半分、宙に浮いていた…。本気で寄りかかってたら落ちてたやーん!

もうダメ、もうヤダ。ダメダメ、もうダメ〜!こんなガードレール作って!危ない!イタリア人はやっぱり信用できない!テキトーすぎる!と叫びながら(後ろでは、なぜか笑い声。ホント、ヤダわーイタリア人って)、それでも進んだ先に見えた、

この登り坂で…

あ、もう道ではないですね?

ギブ・アップ〜!!!!はい、終了〜!解散解散!

だって、よく見て?細い砂利道が、しかも斜めってる!海の方に!万が一、無事に登れたとしても、帰りは下りでしょ?勢い余って、ズルッとかなったらどうするの?なに?死にに行けって言ってるの?

あーダメ、もう無理無理無理無理!!!

とっとと向きを変え、元来た道を一目散。誰の意見ももう聞きませんよ。協調性より命が大事。

そして、おずおずと振り返ってみると、ギブアップした道が見えました…。

下、マジ、崩れかけの崖やん…落ちたら引っかかりもせず真っ逆さま

ちなみに、見えている家屋は廃墟です。で、件の別荘は、この廃墟村の上にあるそうな…。

はぁ???こんな廃墟しかない村のさらに奥地に別荘作るとか、どんな酔狂なの?!家具を運んでる最中に、きっと何人も島人が落ちて死んだに違いない(確認したけど、それはないそうです)発想が、ピラミッド作ったエジプト王と同じ!そんな血塗られた別荘、見たくないわっ!

と、なんだか…だんだん腹が立ってきました。ちなみに、これらはすべて声に出して言ってますw。

エジプト王の呪いか?!しかしそこには、天女がいた…

エジプト王への怒りを歩くパワーに変え、下を見ないように頑張って、アスファルトの道へ早く!とズンズン歩いていたら、今度は…、

スニーカーの底がはがれました…プーマ!

エジプト王に呪われてるっ!
もう、やだーーーーーー!

「ベロベロした靴底を引きずって歩くと危ない」とお付きのものたちが言うので(たしかにそうだね)、ベロットはがし、上から見ると靴だけど下から見ると靴下。というコントみたいな状態で、進む…。だって、進むしかないから…。

でもねぇ、靴下の方が歩きやすい事実も発見しましたよ。地面をキャッチするからでしょうか?
地下足袋ならよかったかもしれません。それに、不思議なことに、恐怖のせいかちっとも足裏が痛くない…。人間の身体って適応力あるんですね!

怒りwと発見の感動に包まれつつ、必死に汗だくになり進んでいると、上の方から声が聞こえてきました。

「おやおや、靴下のお嬢さん。少し休んでいきませんか〜?」

え?幻聴?
もはや、幻聴が聞こえてる?

振り仰ぐと、優しいそうな女性が、心配そうにこちらを見ているではないですか。猫と一緒に。

え?幻覚?

いいえ、それは…恐怖の崖っぷちロードの途中の洞窟に住んでる方なのでした。現実です。

洞窟の住人、マリーナさん

洞窟〜。。。人口約200人の島に、個性的な人が居過ぎじゃのっ!

天女のような女性は、マリーナさん。いただいたお水は、命の水。ちょっと休ませていただいた上、杖までいただいてしまいました。

まーここまでこの道を怖がる人は、今まで2回だけ見たそうです。そのうちの一人は私で、「もう一人は友達のお母さん(70代)よ〜w」って。だから何よって話ですよ。

件の場所(未踏)は、高所恐怖症でなく、ちょっと鍛えてる人ならサクサク1時間もかからないし、マリーナさんや地元の人や、慣れた人ならサンダルで往復するそうです。靴のように見える靴下で歩く人は、初めて見たと。そりゃそーでしょうよ。

結果、全行程4時間ほど。喚き散らして、もう、心も身体も靴もボロッボロで終了です(涙)。

身体を鍛えるとは、自分の気持ちと身体の動きを一致させる事なのかな

こういう道を歩くと、自分が自分の身体をぜんっぜんコントロールできていないと、シミジミと感じます。

自分に相談もなくよく体調悪くなるし、自分の許可なく平らなところでもつまづくし。インナーマッスルもないから、体幹グラグラだし。身体が勝手な行動をとりがちだなぁ、と。

身体を鍛えるって、意思と身体を一致させることなのかな。そりゃ健全な肉体になれば、おのずと健全な精神は宿るでしょうね(文句が少なくなるだろうし)。昔の人はいいこと言いますね。

ボンは、心と身体が一致してるんだろうな…。

腕の力も失われていた夜の一枚w。ピントボケボケ〜

一方ボンさんは、海より疲れなかったみたいですね(椅子の上に上がれてるし)。やはり犬は、海の生き物ではなく、山の生き物なんですね。

続く!

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