フィリクーディ島は小さな島ですが、そのほとんどが山。
ボンさんが泳いだ沖合いから見た島の裏側。
何があるんだろなーと、
グーグルアースで見学したりしてみると、
たまに家っぽいのがあったりするんだけど、道はなし。
どーゆーこっちゃ?
なんて話をしていたら、
人の行ける最後のエリア。みたいなところに、
ピンキー(夫)をはじめフィリクーディ常連仲間の一人が、
別荘を持っている、と言うではないですか。
ただし、山道を徒歩のみで約1時間。
そんなところに別荘とは。。。
どんな原始生活をしているのかしらん。
井戸かしら。火は起こすのかしら?
で、写真を見せてもらったら、ド・びっくり!
センスあふれる超絶素敵なインテリア!
…インテリア雑誌にも載ってたりしました。
はぁ?どーやってこの家具運んだの?
電気ガス水道あるってこと?
聞けば、その人は某国の王女さま。
なるほど。経費など考えなくてもよい人が、
誰もいない究極の別荘を作ったっちゅーわけですか。
本物のセレブリティは観光リゾートなぞには、
ご興味ない、と。
ふーん…。
ま、でも家具を納入できたってことは、
そんなハードな道でもなかろう。
旅の記念に、セレブのお宅でお茶の一杯でもご馳走になろうかね。
と、山チャレンジに出発した次第でございます。
山歩きにはちょうどよい曇った午後、
目的エリアへの入り口へ。
はーこの程度なら、大丈夫かもー。と、
のんきに写真を撮りつつ、進みますと、
だんだん、周りの地面が無くなっていきました…。
え?なに?山道って山の中にある道じゃないの?
ガードレールとかないんで…
うっかり転んだら、美しい海にまっさかさまー!
「落ちる前にその辺にひっかかるよ」
というピンキーの言葉は、なんの慰めにもなりません。
その辺って…トゲトゲのサボテン祭り。
しかも、不規則な石畳(?)でつるっとした石の上に、
ちょっとした砂やら小石が乗ってて、
す・べ・る・んですけど!!!
つかまるところは、崖に生える雑草。
やばいやばい、危険すぎる。
もうほとんどまともに歩けません><!
見た目はなだらかなんですけどね。
実際、道に立って、
背の高さから見ると、
もう、道の横は断崖絶壁。にしか見えないもんなんですよ。
写真どころの騒ぎじゃなくて、
ヒーヒー言いながらもなんとか進んで、
約2時間ほど経った頃…
(おかしい。全コースで1時間のはずなのに…)
上方に木の根っこ。
何これ、崩れてるじゃん。。。
怖い…。
涙目になりつつここから少し進んだところに、
なぜか道の脇に竹で作ったガードレールがありまして、
「ああ〜!よかった!
知恵のある人がこの島にもいるのねー!」と、
グッとつかんだら、
グイ〜ンと道の外側、つまり崖の方向に持ってかれた…。
ぎゃぁぁぁぁーーーーーー!!!!
なんとなく止めてあるガードレールで、
下の方を見たら、中に浮いてました。。。
本気で寄りかかってたら落ちてた〜ウェーーーン><!
もうやだ、もうダメだ、
こんなガードレールで騙してっ!
イタリア人はやっぱり信用できない!
テキトーすぎる!と叫びつつ、
それでも進んだ先に見えた、
この登り坂で…
ギブ・アップ〜!!!!
はい、終了〜!
だって、よく見て?
細い砂利道が、しかも斜めってる!海の方に!
万が一、無事に登れたとしても、帰りは下り。
勢い余って、ズルッと…
あーダメ、もう怖い。無理無理無理無理!!!
とっとと向きを変え、元来た道を一目散。
そして振り返ってみると、ギブアップした道が見えました…。
下、マジ、崩れかけの崖やん…。
ちなみに、見えている家屋は廃墟です。
で、件の別荘は、この廃墟村の上にあるそうな…。
はぁ???なにこれ!
こんな廃墟しかない村に別荘作るとか、
どんな酔狂なの?!
家具を運んでる最中に、
きっと何人も島人が落ちて死んだに違いない。
(↑確認したけど、それはないそうです)
発想が、ピラミッド作ったエジプト王と同じ!
そんな血塗られた別荘、見たくないわっ!
なんか…だんだん腹が立ってきました。
で、怒りを歩くパワーに変え、
ズンズン歩いていたら、
今度は、スニーカーの底がはがれたのです…。
エジプト王に呪われてるっ!
もう、やだーーーーーー!!!
ベロベロした靴底を引きずって歩くと危ないので、
ベロットはがし、
上から見ると靴だけど、下から見ると靴下。
というコントみたいな状態で、進む…。
進むしかないから…。
しかし…靴下の方が歩きやすい事実も発見。
地面をキャッチするからでしょうか?
地下足袋ならよかったかもしれません。
それに、不思議なことに、
恐怖のせいか、ちっとも足裏が痛くない…。
人間の身体って適応力あるんですね!
怒りwと発見の感動に包まれつつ、
必死に汗だくになり進んでいると、
上の方から、声が聞こえました。
「おやおや、靴下のお嬢さん。
少し休んでいきませんか〜?」
え?幻聴?
振り仰ぐと、優しいおばちゃんが、
猫と一緒にこちらを見てるではないですか。
それは、
恐怖の崖っぷちロードの途中の洞窟に住んでる、
おばちゃんなのでした。
…もう、クセがすごい><!
人口約200人の島に、自由な人が居過ぎじゃのっ!!
天女のようなおばちゃん。
いただいたお水は、命の水。。。
ちょっと休ませていただいた上、
杖までいただいてしまいましたwwww。
まーここまでこの道を怖がる人は、
今まで2回だけ見たそうです。
そのうちの一人は私。もう一人は友人母w。
やっぱり高所恐怖症でなく、ちょっと鍛えてる人だと、
サクサク1時間もかからないんだそうで…。
おばちゃんはサンダルで往復するそうです。。。
全行程4時間ほど、喚き散らして、
もう、心も身体もボロッボロ。
こういう道を歩くと、
自分が自分の身体をぜんっぜんコントロールできていないと、シミジミと感じます。
そもそも自分に相談もなく、よく体調悪くなるし、
自分の許可なく、平らなところでもつまづくし。
インナーマッスルもないから、体幹グラグラだし。
身体が勝手な行動をとりがち。
身体を鍛えるって、意思と身体を一致させることなのかも。
で、健全な肉体になれば、
おのずと健全な精神は宿るでしょうね。
身体の不具合で文句なくなるしw。
昔の人はいいこと言いますね。
ボンは、心と身体が一致してるんだろうな…。
腕の力も失われ、ピントボケボケ↓。
一方ボンさんは、海より疲れなかったみたい。
(椅子の上に上がれてる)
明日は出発。プチバカンス最終回。に続く。
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