最新シチリア映画『シチリアサマー』ー1982年夏、灼熱のシチリアで起きた実話がテーマ

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どうもー皆さま、ボンジョルノ♪

昨日、マッシモ劇場前で、謎のローマ兵と多数の苦悩するキリストに遭遇した後w、映画を観てきましたー。

今、イタリアでも話題のシチリア映画Stranizza D’amuri(ストラニッツァ・ダムーリ)です。

追記:なーんと日本でも公開!11月23日に題名『シチリア・サマー』で全国公開です!

原題のStranizza d’amuriは、シチリア語。「愛の奇妙さ」「愛の不思議」ですが、シチリア・サマーの方がシチリア以外では分かりやすそうで良いですね〜。で、全編シチリア語なので、イタリア語との違いを楽しむ?のも面白いかも!

シチリア映画の名作がひとつ増えた!映画「ストラニッツァ・ダムーリ」

アムーリはシチリア語で、アモーレ。なので、キラキラの恋愛映画かと思いきや、、、。

1980年に、実際にシチリアで起きた事件をテーマにした、訴えかけてくるもの多めの社会派映画です!(※マフィアの事件じゃないよ〜w)

シチリア出身のジュゼッペ・フィオレッロの初監督作品

大人のまともなシチリア人なら、だいたい誰でも知ってる事件だし、イタリアでは有名なフィオレッロの初監督作品でもあり、映画館は興味津々意気込んだシチリア人で満員御礼でしたw。

▼イタリア版トレーラー

途中から、すすり泣く人多数で、最後は号泣者続出

一緒に行った友達なんかもう、大変な顔w、いや、爆泣きで立ち上がれず状態www。腕を引っ張って立ち上がらせてあげましたよw。

まーシチリア人には、風景描写の懐かしさもあり、よほど心に迫るものがあるでしょうけど、そもそも映画自体がとても良かった。のもあると思います。

パレルモで同性愛者組織Arcigay設立のきっかけになった事件がベース

さて、この映画の元になったのは、シチリア東岸の“超田舎町”ジャッレで起きた殺人事件

惹かれあって恋に堕ちた、2人の若者(ジョルジョ(25)とトニー(15歳))が、最後は頭を撃ち抜かれて地元で殺された。と言うもの。

しかも2人の遺体は、手をつないだ状態で発見されたのだとか。。。

犯人は、オモフォビア(同性愛嫌悪)で、2人がただ同性愛者だったことだけで、殺されてしまうなんてと、社会に大きな衝撃を与えた事件でもあります。(謎も多く未解決のままではありますが、今は犯人はトニーの甥とされてます)

映画が終わった20時過ぎの明るい夜空とパレルモ・マッシモ劇場

この事件がきっかけで、同性愛者への偏見、差別、嫌悪に対する反発が高まり、事件の1ヶ月後には、パレルモでイタリア初の同性愛者組織Arcigayが誕生。今や、イタリア最大の組織に成長しています。

この映画は、ジョルジョとトニーへのオマージュ

80年代頃のシチリアの極田舎にあった、同性愛者に対する強烈な偏見。過酷な周囲からの目にさらされながら貫こうとした2人の男子の純粋さと、彼らを取り囲む人々の不寛容さがわかりやすく…激しく、描かれています。

設定と空気感が、さすがシチリア人監督!

舞台は、ワールドカップに盛り上がる1982年の夏のシチリア

キラキラと眩い太陽が輝き、自然はどこまでも美しいけれど、そこにうごめく人々は、失業に喘ぎ、社会的政治的に打ち捨てられ、希望もなく過ごしている。

そんな諦めが蔓延する小さな田舎町で、美しい少年たちが偶然出会い、生きる喜びを見つけ出したはずだったのに…。

ちなみに、映画館内ではマスクしましたよ。30%くらいの人がマスクしてたかなー

というような話なわけですが、主役2人の演技が上手いわ、登場する田舎のシチリア人たちが本当にいそうすぎてw、画面に吸い込まれましたよー。

若いのにプラップラした”雑な生き方”や気だるさ、眉毛の繋がった兄弟、旦那がドイツに出稼ぎに行ってるシングルマザーの目の下に滲んだアイライン。

リアルな人物たちと空気感、当時のシチリアの匂いまでが香るようなシーンの数々は、まるで誰かのアルバムを覗いてるような…。(そりゃシチリア人泣くわー)

シチリア出身のフィオレッロ監督。多彩な芸能人として活躍する方ですが、監督として注目度爆上がり!なのも納得です。

またシチリアの名画が産まれちゃいました感高いですが..日本でも公開されるかな?
機会があったら、ぜひ!

ではでは、どうぞ良い水曜日を!
Buon mercoledi!

▼2023年夏発売号は、シチリア&トスカーナ特集!

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