映画『永遠の門 ゴッホの見た未来』〜自画像のゴッホが動き出したよう…

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ゴッホの伝記的映画『永遠の門 ゴッホの見た未来』(原題:At Eternity’s Gate イタリア語題 Van Gogh-Sulla soglia dell’eternita’)が、イタリアで公開されてました。

行こう行こう言いつつ、なかなか行けずにいたら……ほとんどの映画館ですでに終了@@!慌てて探した最後の上映館も、昨夜が最後の上映日〜!ってことが発覚しまして。昨夜、ドヤドヤと慌てて行ってきました!



こちらの映画、日本では公開前(2019年公開予定だそう)なので簡単にご紹介すると、みなさんご存知の苦悩と狂気に満ちたゴッホの生涯を描いた伝記モノでございます。

と言っても、知識欲が刺激される伝記モノって感じではなく、これは叙情詩。”そこにいるゴッホ”が見ている世界を、哲学と音楽と映像で語りかけられるような美し〜い映画でした(監督は、「バスキア」のシュナーベル)。

そこにいるゴッホ…。と感じてしまったのは、主演のゴッホ…ではなくて、演じたウィレム・デフォーがあまりにゴッホだったから。おなじみのボヘミアン・ラプソディもフレディ・マーキュリーの再現率高っ!でしたが、デフォーのゴッホは、「ちょっとゴッホさん…生き返りましたか?」ってくらいソックリ(実物ではなく自画像のゴッホに)。

もちろん生ゴッホは知りませんけど。でも多分、世の中の今、生きている人たちがイメージするゴッホってこのゴッホだと思うんですよ。

※この作品で、第75回ヴェネツィア国際映画祭で男優賞を受賞してるそうです。

英語版トレイラーでその一部をご覧あれ!

耳を切り落としたり、精神病院に入院したり、ストーリー自体は知ってる話ですが、そのひとつひとつの場面でのゴッホの心情を丁寧に表現するデフォーが切なすぎる!すごい俳優だな…と現実とスクリーンの世界と行ったりきたりしてるうち、最後はスクリーンの中に取り込まれて、終了したときには鳥肌が立ちました。

隣で見ていた友達も、「鳥肌…」って呟いたから驚いた。ピンキー(夫)は「泣きそうだから、噛む!」とグミを爆食(なんだそりゃ…)。友達が持ってきたコーラ味のグミがめっちゃ美味しくて、モグモググミグミしながら見てたんですけどね。ココロが折れないように、グミを噛まずにはいられない。そんな映画でしたから、気持ちはわかりますよ、ええ。



イタリアで映画を見ると、終わった瞬間からザワザワ大騒ぎでトットと出て行こうとする人が多く、急に現実に引き戻されるのが常ですが、今回はシーーーーンとしていて、静か〜に席を立って行く人が多かった。…皆さん、ココロが折れかけていたのかも。

モタモタしてたら最後になっちゃった〜とかなんとか言いながら、出て行くときに振り返ったら、

完全に折れた人もいましたw。

おじさんが、ぽつん。

終わったときから顔がウルウルしてたのは見てたけど、そのまま席を立てずにいるようでしたw。…グミ、あげましょうか?

帰り道にピンキー(夫)がニューヨークで初めてゴッホの絵を観たとき、ゴォ〜っと「音」が聞こえたんだそうですよ。物理学者がゴッホの絵はエネルギーの動きをとらえていると解説していたことがあったそうですが、「あの音はエネルギーの音だったのかも」などとしみじみとしながら、「ゴッホは未来の僕たちのために描いてくれていたんだね」などと語ってました(←珍しく聞き流してない)。

キリスト教信者の多いイタリアだけに、宗教観みたいなものも影響してココロを打たれた人多数なのかもしれませんが。機会があったら、ぜひです。ちなみに、”ゴッホの目線”のカメラワークは、あまり近くで見ると酔うので遠目がオススメですw。

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