実話が元のマフィア映画「ロ・スカンビオ」ーシチリア語と残虐さがつらい

シチリア島パレルモ近郊出身の映画監督サルヴォ・クッチャ氏の新作映画 「Lo Scambio (ロ・スカンビオ)」が封切りとなりました。

サルヴォさんは、ピンキー(夫)の幼馴染。ボン先輩が子犬時代の血便事件のきっかけとなった田舎の村の1日で、連れ回したうちの1人ですw。

▼リードを引いてる人がサルヴォさん。

日本では知られていない本当にあったマフィアの実話が題材

犬の話は置いといて。

どんな映画かというと、シチリア人作のマフィア映画。最後の大ボス、トト・リーナの片腕の一人「ルチアーノ・バガレッラ」の実話を元に、再現に近い構成になっています。

1995年6月24日に逮捕され、すでに終身刑で投獄中のルチアーノ・バガレッラは、日本ではあまり知られていないと思いますが、パレルモの人々には今も知られる有名マフィアの1人。

ルチアーノ・バガレッラは、トト・リーナの義理の弟でもありました。つまり妹の旦那ですね。

▼最後の大ボス、トト・リイナってどんな人。

映画公開は、バガレッラの逮捕記念日である6月24日。前日にプレス公開され、新聞各紙・ニュース番組でも話題になっていました。

テーマは「改心者」と報復、有名なディマッテオ事件も絡む

内容は、主人公の義理の弟(嫁の実弟)が、「改心者」になったことから話が始まります。

改心者とは、マフィア用語で、”組織を裏切り警察に情報提供をした人”のこと

主人公は、マフィア組織からの報復を恐れ、嫁を守るために家に閉じ込めて、監禁状態にするわけですが…。

猜疑心から、無駄な人殺しをやるやる!そんな緊張感の続く日々で、家から出られない嫁が狂気に犯されて…。

ってな感じの話です(ザックリ)。

ここに、監禁生活といえば、シチリア人なら誰もが知っている「ジュゼッペ・ディ・マッテーオ事件」も絡まってきます。

▼ジュゼッペ事件とは| 当時のニュース記事や遺族の言葉などをご紹介してます。

マフィアの殺人として知られる「酸で溶かす」が有名になった事件のひとつです。まあ、酸で溶かす以外にも「マフィア的な殺人方法」は多々ありまして、それもまた結構オリジナリティがあるので、ある意トト・リイナ一派のクリエイティビティに感心したりもしま…せん。

マフィアのとてつもない残虐性と組織で生きることの空虚感が如実に描かれており、緊張感と残虐さは…観てる途中でお腹痛くなるくらい(デリケートなんです)。ある種のホラー映画だわね。

ま〜そんなわけで、まかり間違えても「カッコいい」なんて思うシーンはひとつもなく、偉大なる「ゴッド・ファーザー」とはまったく異なる”リアル・マフィアの世界”は、本当に怖くて、理不尽、哀しくて、ただただ…むなしい…。と言うことが、メッセージとして受け取れました。

パレルモ暮らしに欠かせない?シチリア語とマフィア知識

さて、現実世界に戻りまして。

映画館での話をすると、この映画…ほとんどの会話がきっついシチリア語(パレルモ系)。コッテコテすぎるから、イタリア語の字幕が付いてますw。

映画を観終わった後、友人たちが、

「イタリア語に訳すのは大変だよね。シチリア語ならではのセンスが失われるから」

と言ってたのが印象的でした。

日本語⇔イタリア語の翻訳をするときには、言葉の持つイメージや雰囲気が失われないように。と注意して訳していますが、シチリア語⇔イタリア語の変換でさえ、そんな気遣いが必要になるんだな。と。

フランス語版の字幕は我が夫ピンキーがやってました。シチリア語→フランス語はさぞかし大変だったことでしょう。と、急に労う気になりました。

で、皆んなに「シチリア語わかった?もしくは字幕読んでた?」をやたらと聞かれたんですよ。まさに愚問w。「そりゃ読んでいたさ!」と答えると、

「パレルモに暮らしているなら、シチリア語がわかるようにならないと!」

とか言う人たちがいたので、はぁ?となりました。

だって、シチリア語ってとてつもなく難しいんだもん!特に発音が。まあ、機会があれば覚えたいとは思いますけどねー。ムリー。

シチリア暮らし、パレルモの平日。同年代(60年代生まれ)と話を合わせるには、マフィアの知識が不可欠。ってだけでも面倒なのに、シチリア語もやれ。とか言われて、とても面倒くさい気持ちになった映画鑑賞でしたw。あと、「山猫」も不可欠。

▼マフィア知識を豊富にするのに最適な博物館。

コメント

タイトルとURLをコピーしました