本当にあったマフィアの話〜映画「ロ・スカンビオ」

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シチリア人製作のマフィア映画

先日、ピンキー(夫)の幼馴染の映画監督サルヴォ・クッチャ氏の新作映画「Lo Scambio (ロ・スカンビオ)」が映画館で封切りとなりました〜。

本当にあったマフィアの話をベースに構成されたマフィア映画で、パレルモを舞台にマフィアの残虐性と組織で生きることの恐ろしいまでの空虚感が描かれています。

緊張感と残虐さ。映画全体にまとわりつくドロドロアギャー!は、もう観てる途中でお腹痛くなるくらいでした。←デリケート。



本当にあったマフィアの話「ロ・スカンビオ」とは

最後の大ボス”トト・リーナ”の義理の弟、片腕の一人であった”ルチアーノ・バガレッラ”(1995年6月24日逮捕/終身刑)の実話を元に、猜疑心から無駄な人殺しをやるやる!もうやめろーってくらいやる。んで、監禁状態で暮らさざるを得なかった嫁が狂気に犯され…ってまーホント、奥さん!…スゴイ人生ですね。ってなお話です。

トレイラーがこちら。

嫁が監禁状態で暮すことになったのは、嫁の弟が「改心者」(マフィア用語で組織を離れ警察に情報提供をした人)となったため。

組織からの報復を恐れ、嫁を守るための監禁していたのですが、そこにはシチリア人なら誰もが知っている「ジュゼッペ・ディ・マッテーオ事件」が絡まってきます。

ジュゼッペ事件とは、「改心者」となったジュゼッペの父、サンティーノ・ディ・マッテオへの脅迫のため、トト・リーナ一派の流れを組む狂人ジョバンニ・ブルスカ率いるグループに誘拐され、25か月間も監禁。そして殺された挙句、最終的に硝酸の中に投げ込まれ、溶かされた……。という事件で、1996年に起きました。

改心者となり、警察の保護下に置かれ会えなくなった父親に「会わせてあげる」と騙され、大好きなお父さんにも会えずに、ひたすらひたすら狭い牢獄のような暗い密室に閉じ込められていたジュゼッペ。誘拐時は13歳だったそうです。

マフィア映画の殺人シーンでよくある「酸で溶かす」ってのがありますが、元ネタはこれらしいですね。ある意味、オリジナリティがある殺人スタイルを発明し続けたトト・リイナ一派…ヤダヤダ。

ま〜そんなわけで、まかり間違えても「カッコいい」なんて思うシーンはひとつもありません!マフィア映画の代表のようになっている偉大なる「ゴッド・ファーザー」とはまったく異なるリアル・マフィアの世界が描かれています。

怖い、哀しい、ただただむなしい。

6月23日公開となったのは、バガレッラの逮捕記念日である6月24日合わせたのだとか。シチリアでここ数日、新聞各紙・ニュース番組でも話題になっています。



パレルモ暮らしに欠かせないのはシチリア語とマフィア知識?

でね、この映画。ほとんどの会話は、きっついシチリア語(パレルモ系)なのよ、アナタ。コッテコテすぎるから、イタリア語の字幕が付いてるくらいw!!!

フランス語字幕は我が夫ピンキーがやってました。フランスでも上映されるってことのようです(相変わらず夫の仕事に無関心・笑)。

映画を観終わってから、友人知人と話すと、

「イタリア語に訳すと、シチリア語ならではのセンスが失われる」

と言ってる人がいたのが面白かったです。

日本語⇔イタリア語の翻訳でも、その言葉がイメージさせる雰囲気とか意味が失われることが多々ありますが、シチリア語⇔イタリア語の変換でさえ、そんなことになるんだな、と。フランス語訳はさぞ大変だったことでしょう。と今さら夫をねぎらってみます。

そして皆のものに感想を聞かれる中で、「字幕を読んでいたのか」などとやいのやいの言われました…。そりゃ読んでいたさ!と答えると、

「パレルモに暮らしているなら、シチリア語がわかるようにならないと!」

だって…。

マストかいっ!

機会があれば、覚えたいとは思いますけどね(多分無理)。

マフィアについての知識(特に80年代・90年代の頃)とシチリア語。パレルモ暮らしを有意義なものにするには、イタリア語だけでは足りないようです(面倒くさっ!)。

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