昨夜、友人宅の夕食にお呼ばれしまして、
久々にマグロを食べてきました!
マグロと聞いて、沸き立つのは、
ニホンジンばかりではありませぬ。
歴史的にマグロ漁をしてきた場所柄、
シチリア人(特に西岸界隈)も、
マグロ・ラバーは多数。
どんな料理が出てくるのか?
楽しみウキウキでお邪魔しましたよ。
友人宅は1700年代に建てられた
(当時は)パレルモ郊外のヴィッラ。
あまり修復していない建物は、
外と中との区別があまりなく、
モンテ・ペレグリーノ山を望む、
オレンジ畑に直結した庭に面した、
ダイニングに冷気が吹き込んで、
生マグロを食べるのに、
とても良さそうな気温でしたが、
(ほぼ冷蔵庫)
マグロが回遊してくる季節は、
5、6月なので生はなし。
Tシャツに皮ジャケットを羽織ったまま、
小刻みに震えながら、
待ちわびた前菜は、こちら。
わお。
マグロのブレザオラと
マザラ・デル・ヴァッロの赤海老(生)、
水牛のモッツァレッラ、
上に乗ってるのはヒラメの卵。
全体にトロリとかかったソースは、
柿です!(庭のw)
熟れると実がトロトロになる
イタリアの柿。
(日本のシャクシャクした感じの柿は、”りんご柿” Cachi melaと呼ばれます)。
いや、合いますね〜。
エビのプリプリ感とヒラメ卵の塩気、
マグロの旨味とモッツァレッラの
ミルキーなまろやかさが、
ほんのり甘く優しい柿と合う。
マグロっていうか、
魚介とほんのりした甘さは合いますね〜。
家主でこの日の料理人は、
恥ずかしいくらい派手な
コック帽とエプロンのこのおじさんw。
その腕前はなかなかですが、何しろ、盛り付けや料理するときの格好、その気になるって人生を楽しむためには大事なんだなーって感じさせてくれる俳優兼自称シェフです。
※この時、ピンキー含むほかの3人のおじさんたちは、寒い庭でコソコソ話をしてました。やーね、男同士集まると。
この日は、代々トラパニでマグロ漁をオーガナイズしてきた家系の娘さんもいて、昔のシチリアのマグロ漁の話や「90年代は、日本にもたくさん売っていた」話を聞きました。地中海をセスナで飛んで、回遊するマグロを見て、空から取引してたんだとか。なんだかスケールの大きな話で(日本もその頃はバブルだし)なかなか、興味深かったデス。
セスナで取引したマグロではないですが、
正真正銘地中海ブルーフィンのラグーが
プリモ兼セコンド。
酸味と甘みのある濃厚トマトソースに、
負けないマグロの味わいと、
完璧なアルデンテのパスタが、
とても美味しい一皿でございました。
「マグロは捨てるところがないと言われてきた」と、マグロ漁の娘さんは言っていましたが、内臓も加工して食べる習慣があるシチリア(西岸)。トロを愛する人々は、なんだか信用しても良い気がしますw。
近くの森で採れたらしい
ポルチーニのソテーなんかを挟んで、
庭で取れたマンダリーノの
(マンダリンオレンジ)
自家製マンダリチェッロ。
リモンチェッロよりビター❤️な甘さで、
消化を促してみたりしつつも、
もう無理ーな状態になってからが、
シチリアは勝負ですw。
まだ、ドルチェがあります。
ヴィッラ・フラーティという、
パレルモ近郊の山の村の
手作りブッチェラート。
ブッチェラートはクリスマスのお菓子(※)だけど、秋冬によく登場します。
パレルモのものとは少し違うけど、こちらもブッチェラート。ズッカータ(カボチャの砂糖漬け)が入った甘さ控えめで、素朴でサクサク…。一粒で300mなんて笑っちゃう一個で300kmくらいのカロリーはありそうでしたが、一個たべられる不思議…。
夜中1時過ぎ…ヴィッラの前庭に出るとジャスミンの芳香が、濃密にあたり一面を覆っていました。消臭力もびっくりレベルの天然ジャスミン香の密度の高さ。
こちらのお宅、エリア的にはジュゼッペ・トマージ・ディ・ランペデューサの「山猫」のサリーナ邸のあたり。夜の趣はきっと小説の時代とあまり変わらないはず。なーんて無理やり想像してみると、単なる食べ過ぎ飲み過ぎの夜がなんだかとても素敵なものに思えてしまう不思議…。
シチリアの夜は、不思議なのです。
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