どうもー皆さま、ボンジョルノ♪
アランチーニは、昨今、日本でも知られるようになったシチリア島の名物。
いわゆる「ライスコロッケ」ですが、発祥の地であるシチリアでは、日常的によく食べられている代表的なストリートフード。
シチリアの州都パレルモには、なんと「アランチーナの日」まであります。
え?アランチーナ?そう、この場合はアランチーナです。
アランチーニ、アランチーノ、アランチーナ…語尾がいろいろ変わる理由とその由来、美味しさのポイント、現地での愛されっぷりなどなど、アランチーニにまつわる話を本場パレルモから、まとめてお届けします!
▼パレルモ名物ストリートフードの基本とまとめはこちら。
アランチーニの伝統的な中身は、”カルネ”と”ブッロ”!
ライスコロッケ「アランチー二」は、ホクホクに”茹でた”お米の真ん中に、いろんな具が入っています。それは、まるでおにぎりのよう。
ただし、形は三角ではなく、パレルモ(シチリア西側)はまん丸と楕円形、カターニャ(シチリア東側)は円錐形です。
公式にシチリアの伝統料理に認定されているアランチーニですが、地域でカタチが異なり、また呼び方も少し変わるのが面白いものです(後述)。
シチリアのおにぎりの中身は、梅干しと鮭…ではなく、伝統的に「カルネ」(ミートソース)と「ブッロ」(ハムとモッツァレッラ)。

これもまたパレルモの伝統ですが、カルネがまん丸、ブッロは楕円形と決まっています。
最近は、ほうれん草、フンギ、スモークサーモン、カレーなど、具のバリエーションも増えており、お店によっては全部まん丸のケースもあります。
観光客に人気のお店 Ke Palle
パレルモのメインストリートにあるKe Palleは、アランチーニの専門店。


チェーン展開してるだけあって大量生産っぽさは否めませんが、具材バリエーションやカリッカリの衣が魅力で、観光客に人気のお店です。
美味しいアランチーニは、手作りフワフワ系が本場流!
シチリア、特にパレルモなら街のいたるところで見つかるアランチーニ。ですが、クオリティはピンからキリです。

美味しいとされるのは、「ギュッと握ってない」もの。
形は保っているけど、食べるとホロホロと柔らかくほぐれ、外側のパリパリサクサクを一緒に楽しめるのが、良いアランチーニw。ちょっとお寿司のシャリに似た発想ですね。
地元の人は、”家で作ったみたい”なフワフワ系が好きな人が多め。昔は「家で作るもの」だったからでしょうね。
マンマが握るカーポ市場の名店
パレルモのカーポ市場の真ん中あたりにあるストリートフードのお店、Da Arianna はパレルモの地元紙が選ぶ名店に選ばれたこともある老舗のひとつ。


マンマが作る昔ながらの手作り系で、衣薄めのフワフワ食感が特徴です。
アランチー二の起源を紐解く
アランチー二の発祥は、シチリアがアラブ人に支配されていた時代(9〜11世紀)。アラブには、サフランで色付けしたお米に、豆や細切りの肉を加えたものを食べる習慣があり、さらに持ち運びできるように丸めて揚げた。またアラブには、果物の形に似た食べ物に、その果物の名前をつける習慣もあり、「アランチーナ(小さなオレンジ)」と呼ばれるようになった。
と言う説がパレルモでよく聞く&濃厚な説。
さらに、当時の州都パレルモに暮らしていたシチリア王が狩りに行く際のお弁当にしたことで広まった。。。

といった話もよく聞きますが、これはちょっとロマンチックな伝説な気もしないでもありませんw。
アラブ説推しのパレルモ出身の歴史家ガエターノ・バジーレ氏の「18世紀のパレルモのドミニコ会修道院(現パラッツォ・アバテッリス)の名物料理でもあった」説もありますが、言語・文献資料に基づいた専門的解説によれば、「レシピは、19世紀後半以前には一切見られない」とあり、実際のところは定かではないのが実情です。
最初に文献に登場するのは、1857年。『シチリア語–イタリア語辞典』(ジュゼッペ・ビウンディ著)に「アランチーヌ(arancinu)」という名前で、「オレンジの形をした米の甘い料理」として紹介されています。
また、伝統的な具の「ラグー(ミートソース)」に使われるトマトの栽培が、シチリアで始まったのは19世紀初頭なので、今ある「ミートソースを具にしたサフラン入りのライスコロッケ」になったのは、19世紀後半以降なのではないか。とも言われています。
ま、いずれにしても、地中海の十字路として東西文化が交流したシチリアで生まれ育まれた料理であることは、間違いなさそうです。イタリア農業・食料政策省の「伝統的イタリア食品リスト」にもシチリア発祥の伝統料理と記載されています。
パレルモはアランチーナ、カターニャはアランチーノ
さて、ここまで「アランチーニ」と書いてきましたが、、、パレルモからお届けするなら「アランチーナ」と書け。とパレルモ人が文句を言ってる声が聞こえそうです。
と言うのも、本場シチリアでは、パレルモ(シチリア西側)では、「アランチーナ」。カターニャ(東側)では、「アランチーノ」と呼ぶものだから!

どーでもいーじゃないか。と思われそうですが、これが奥さん。
シチリア島内では、「アランチーナが正しい!アランチーノだ!」で、年に数回論争も勃発するくらいのこだわりようなんですよー。
インテルとミラン、ASローマとラツィオの戦いのように、シチリアではアランチーニの呼び方で揉めるw。あ、もちろんサッカーでもパレルモVSカターニャ戦は、異常な盛り上がりもみせます。
▼じゃ、シチリアの真ん中の人はどうすんだ?って話。
しかし、これはサッカーのように地域的な争いでもありますが、その語源をめぐる真面目な争いでもあったりします。
語尾を間違えるとVIPも炎上!
日本ではあまり知られてないかもですが、イタリアでは一挙手一投足がいちいち取り沙汰されるスーパーインフルエンサーのキアラ・フェラーニさん。
最近、シチリアにバカンス中の投稿が、いつも以上に話題を呼んでいました。
バカンス先のエオリア諸島、ボン先輩も毎年行く世界遺産の島々に向かうために寄ったパレルモで、「アランチーノ”を食べた」と投稿したのが理由w。
▼わざわざ地元紙が取り上げてました。
キアラ・フェラーニが、ファルコーネ・ボルセリーノ空港に到着後、ロスティチェリアに向かい、移動中の車中から「お気に入りのアランチーノ」と、写真を投稿。
「パレルモではアランチーナと呼ぶのだ!」と、炎上した。
彼女のインスタを見に行ったら…削除されてましたw。お気の毒に…。
アランチーナ/アランチーノどっちが正しい?
シチリアの東西で揉める語尾問題。マクドナルドはマックかマクドか的な話ですが、それぞれに理由があります。

アランチーナ呼びの由来
イタリア語は、一般的に樹木名は男性名詞、果実名は女性名詞にします。
男性単数/ 女性単数
melo / mela
リンゴの木/リンゴ
pesco / pesca
モモの木/モモ
オレンジの場合も同様に、
arancio / arancia
オレンジの木 / オレンジ
「小さなオレンジ」は、arancia アランチャに縮小辞をつけて、「arancina アランチーナ」。丸い小さなオレンジのようなライスコロッケ=アランチーナと言うわけです。

アラブ&王様説を採用してるパレルモでは、「起源は俺たち」の意識から、執拗にwアランチーナ呼びにこだわ流わけです。
アランチーノ呼びの由来
一方、シチリア語でオレンジの実は「aranciu(アランチュ)」。
「小さなオレンジ」は、縮小辞をつけて「arancinu アランチヌー」となり、これをイタリア語にすると、「arancino アランチーノ」(男性形)になると言うのがアランチーノ派の説。
また、シチリア語では、「arancinu アランチヌー」は「オレンジ色」の意味にもなるので、オレンジ色のライスコロッケ=アランチーノでも良いわけです。
結局、どっちが正しい?
アランチーナは、標準イタリア語名称として正しく、アランチーノは、方言由来の名称として正しい。
つまり、どっちも正しい!
アンドレア・カミレーリの「モンタルバーノのアランチーニ」(1999年刊)によって、テレビドラマを通して全国的に「アランチーノ(複数形アランチーニ)」呼びが広がり、シチリア以外では、アランチーノの方が一般的になったと言う説もありますので、まあ、アランチーノが一般的とはいえますが、
パレルモでは、アランチーナ
でお願いします。炎上しますので!
気になるのは、1個でもアランチーニの件
ところで、イタリア語の名詞は、男性形・女性形・単数・複数で、語尾が変化します。それぞれ基本の語尾の形は、-o、-a、-i、-e。 ※不規則形も多数あり。
例えば、「ブラーヴォ」。これは男性形の単数。
女性に言うなら、「ブラーヴァ」
複数の男性にまとめて言うなら「ブラーヴィ」
複数の女性にまとめて言うなら「ブラーヴェ」
つまり、
アランチーナ 女性形・単数/アランチーネ 複数
アランチーノ 男性形・単数/アランチーニ 複数
イタリア人からしてみると「1個でもアランチーニとは、これいかに?」ですが、なぜか日本では、「パニーニ」「カンノーリ」も複数形が定着してますよね。不思議です。
パレルモでは、12月13日が「アランチーナの日」
ここパレルモでのアランチーナの愛されっぷりは、尋常ではなくw、年に一回「アランチーナの日」まであります。
それは、12月13日は、聖人サンタルチアの日。サンタルチアの起こした奇跡に由来しています。
▼サンタルチアの日詳細。
その奇跡とは、飢餓のあった1646年まで遡ります。
麦を大量に積んだ船が、たまたま嵐でパレルモの港に漂着。市民を飢餓から救った。と言うもので、その日が12月13日(サンタルチアの日)だったことから、この日は、小麦を使った料理を食べないことで、改めてサンタルチアへの感謝を思い出そう。と言うわけです。
パレルモで小麦を食べない=アランチーナがあるじゃないか。
ってことで、アランチーナの日になってるわけですが、パン屋さんもお休みになるくらい真面目に取り組んでいますよw。

伝統的なご家庭では、1000個単位で手作りしたりw、イベント的に作ったり。お気に入りのお店で買ったり。兎にも角にも街中が、アランチーナに染まる日です。
▼昔書いた記事ですが…マンマに教えてもらったレシピ。おうちで作ってみたい方はどうぞ!
シチリア菓子クッチアも一緒に
ちなみに、アランチーナとセットで食べるお菓子が、「クッチア」。

これもまたサンタルチアの奇跡にちなんで、茹でた麦をベースにした素朴なシチリア菓子のひとつです。
どうぞ美味しいおにぎりで良い水曜日を!
Buon mercoledi!
↓よかったら、太陽の光でカラッと揚がったみたいなボン先輩に応援クリックお願いします♪





コメント