お馴染みのボン先輩が、「うちの子」になるまでの思い出をまとめました。
犬を飼うと決めて始まった夫婦二人の”犬を飼うぞプロジェクト”。イタリア人夫ピンキーの「保護犬一択」の強いポリシーや、「飼う前に名前を決める」など、日々話し合いをしながら、パレルモ市運営のカニーレ(イタリアの保護施設)に何度も通い、失敗もしながら…ついに、運命の子に出会った?!
そして、小さなボンちゃんが初めてお家に迎えるまでのリアルな体験日記です。
犬を飼いたいと考えている方、運命の子に出会うってどんな感じ?と興味を持ってくれた方にも、ぜひ読んでいただけたら嬉しいです!
犬を飼うぞプロジェクト発足!
【再編集版】この記事のオリジナルは2012年2月に公開された内容をもとに、修正・加筆し、2025年に再構成したものです。
ちょっとちょっと、皆さん!
大ニュースです(私にとってですが)!
犬をね…飼うことになりそうなんです~!
と、言うのも、ここしばらく体調不調続き。。冬で免疫力低下&気分の落ち込みなどで病気ではないです。
体力作りのために、毎日走る・歩く…が良さそうだけど(ジムにさえ行けなさそうな体力低下ぶり)、それもきっとサボっちゃう。
「犬を飼うのが良いのでは?」
とピンキー(夫)。犬がいたら必然的に朝と夜、お散歩に出かけなければならないから(動物飼うなら「ネコが良いなー」と言ったけど、「一緒に引きこもる可能性大」と言われましたw)。
そんなわけで、毎晩「犬を飼うぞプロジェクト」会議を開催しております。
それは…犬を飼うことにより発生する”いろいろもろもろあれこれ”の問題点について、話し合う会議。夫婦二人でやってますw。
で、話し合いを重ねた結果、どうやらクリアできそうな方向性が見えたので、最終的に「飼う」が決定となった次第です。
でも、当然のことながら、
まだ対象となる犬はいませんっ!
そりゃそーだw。
はい、次のプロジェクトの課題は、「犬探し」です。
「犬を飼うなら保護犬一択!」イタリア人夫の熱い倫理観
・機会があって、友人知人に生まれた子犬をもらった
・偶然、捨てられてる子犬を見つけた
なんて、機会も偶然も、そうそうないですから、そーすると、、、パッと思い浮かぶのは「買う」ですよね?
でも、ピンキー(夫)が、「犬を買う行為」だけは絶対にヤダ!と珍しく頑な…。
彼にとって、ペットショップは「命の売買」。ポリシー的に絶対に許容できないそうです。
※2012年の頃にはまだイタリアにもペットショップがあったのです。
そーゆー場合は、どうするか?そう、保護施設。
イタリアでは、犬の保護施設のことを、カニ―レ Canileと呼びます。捨てられたり貰い手のない犬たちを保護して管理する行政施設で、イタリアの各市に存在します。
保護犬と飼い主は、フィフティ・フィフティの関係
ピンキー(夫)は、
「カニ―レに保護された犬を引き取ることは、犬にとっても僕たちにとっても喜ばしいこと。Cosi pari, e tutti sono felici(フィフティ・フィフティでみんな幸せ)!」
と言ったのに、なんだか心を打たれました。私は…すぐに「買う」と思いついちゃって。。。
イタリアに当たり前に存在する保護施設。
命の売買はイヤっとサクッと言う夫。
犬と対等にメリットを享受する関係…。
なんだか学ぶし、倫理観が刺激されました!
存分に納得した会議を終えw、早速、カニ―レに行ってみることにしました。
パレルモの保護施設「カニーレ」に行ってみた!
よく晴れた週末。パレルモ市の犬の保護施設カニーレに行ってみました。
パレルモ中心地から車で10分くらいのところにある、石塀に囲まれた大きな敷地。鬱蒼と木々が茂った場所にありました。
脇の道路にもワンワンキャンキャン…。ワンコ達の大合唱が漏れ聞こえる施設の門をくぐると、いくつかの柵と動物病院・事務所などがあり、大きな複合施設といった趣です。
名前のないワンコたち
とりあえず、芝生のエリアに置かれた柵を見にいってみると、小さな子犬たちが、元気にキャッキャとはしゃいでいるのが見えました。

大きい柵の方では、ある程度の年齢の子たちが保護されています。
エサも十分にもらえてるみたいだし、病院もしっかりあるし、まあまあ環境は良さそうだけど、そうはいっても、足りない何かを感じているかもしれないですよね。
たくさんの”名前のない”ワンコたちを見て、ちょいと感傷的な気分になりつつ、でも、そうは言ってもここにいる子たちを全員助けられるわけじゃないから……できることはただ一つ。
めぐり合えたワンコを責任もって飼うこと。。。

改めて、飼い主になる気持ちが強く固まりました
実は、カニーレに行くまでは「好みの犬種選べないんだよなーどうかなー…」とちょっと懐疑的な気持ちもあったんですよ。でも、実際に見て、急に成長しましたよw!
保護施設のおっちゃんに聞いた保護犬事情
カニーレでは、子犬や成犬など引き取りたい犬のイメージを伝えると、できるだけ希望に見合うようにセッティングをしてくれます。
案内してくれたおっちゃんに、「仔犬を探してる」旨を伝えると、月例別に区分されている子犬ゾーンに案内してくれました。

比較的清潔な舎内では、ちゃんと年齢別のエサが与えられ、併設病院で種々ワクチンも接種。結構みんな元気そうにしていて…なんかちょっとホッとしました。
おっちゃんの説明によると、生まれたばかりの子犬を門の前にこっそり置いていったり、「近所で生まれた」などの通報で保護しに行ったり、ここに来る事情はいろいろなのだそう。
それに!
捨てる神あれば、拾う神ありで相当”回転”が早いそうな。特に子犬は人気があり、ここで成犬になるまで飼手が見つからないなんてことは、めったにないとのこと。
へーー( °∀° )!
そりゃいいですね!
あ、でも…ってことは、運命の子!と感じたら、即決しないと次来た時にはいないってことも?
「あーあり得るね」
…そう聞いて、俄然焦ってきましたw!
運命の子?!人の意見に惑わされて混乱…大失敗!
焦った気持ちで見学していると、早速「お?!」と気になった子に遭遇!
しかし…。
カニーレを初訪問する前に、友人知人にリサーチしてみると「何度か通って決めた」という人がほとんど。だから、いきなり初日に決めるのってどうなの?あさはか?焦り過ぎw?などと、疑念が顔をもたげ…。
「えっと…とりあえず、また来てみます〜(;´Д`)」と、初日の見学を終えました。。。
そして帰宅後。
もはや毎晩のルーティンになっている夜の「犬を飼うぞプロジェクト」会議で、「やっぱり、あの子だったかも?」という気持ちがもたげてきてしまいました(ありがち)。
「じゃ、明日の朝、もう行ってみようか」
と、早速再訪してみると…、
もう、いなかったのですっ!
ガーン(゚m゚;)!
「回転が早い」というのは、おっちゃんのセールストークではなかったようです。上の写真の団体さんも、なんと半数になっていた!し、さらにニューエントリーのワンコも続々と!
ひー!カニーレ、大盛況!!
引き取り手が、こうもたくさんいるのは喜ばしいことですけどね…。告白しようと思って迷ってたら、突然、転校しちゃった…みたいな虚しさを感じました。…転校先で幸せになってくれてると良いな…。
運命の子犬に出会う決め手は「雷に打たれる」
そうして始まった、運命の子との出会いを求めたカニーレ通い。それはダメダメな自分との戦い…でもありました。
初の「この子かも」を引き取り損なったって改めて感じる人の意見に惑わされやすい自分…。優柔不断さ…。
一度うちの子として迎えたら、「あ、やっぱり違うかも」なんて、絶対に許されません。途中で投げ出すことはできない決断を、こんな自分ができるのだろうか?しかも飽きっぽいしな…大丈夫かな。
運命の子探し=自問自答。そんな日々が続きます。
運命の子探し失敗続き!
何度か通ったある日。
「ホラ、この子は?カワイイよねー」
「じゃあ、この子?」
「どうする?どうする?」
案内してくれていた人が、ものすごいせっかちな人で…やたらとグイグイしてくるので(イタリア人あるある)、保護施設側の引き取り手を見つけたい気持ちもわかるから、つい気を遣ってしまい…(日本人あるある)。
「んー…じゃあ、この子…かなぁ?」
なんて調子で、つい選んでしまった子がいたのです。ラブラドールの血が入ってそうな、とってもきれいな子でした。
「よし!じゃあ、手続きだ!」と矢継ぎ早に進められ、あたふた保護施設併設の犬猫病院がある事務棟でした。
そこで、引き取りまでの説明を受け、マイクロチップのチェックやワンコの健康チェックに進むと…あら…?なんだか気持ちが「シーン…」としてきてしまいました。
決め手は「雷に打たれること」と先生が言った
そんな様子を見た獣医さんが「どうする?やめとく?」と優しく聞いてくれたので、「この子を見てカワイイと思ったんだけど…でも…」とウジウジしてると、
Ti capisco. Non e’ scattato il colpo di fulmine.
うん、わかるよ。雷に打たれなかったのね。
と。イタリア語で「雷に打たれる」は一目惚れのこと。ビビビッとくるのが、ひと目惚れと言うわけです。
先生は、「運命の子かどうかは、やっぱり第一印象で、ビビビッ感が大切なのよ」そして、「とってもカワイイ子だから、すぐに飼い手が見つかるでしょう。気にせず、また来てね!」と言ってくれました。
優しい言葉に救われましたが、またも自分の優柔不断さや流されやすさに自己嫌悪↓。
イタリア人たちのおせっかいに負けるな、自分!
あの子も期待してくれてたかもしれないのに!次は絶対に流されないで、直感を信じよう(涙)!と決めるも、誘惑に駆られやすいのが、イタリアならでは。
と言うのも、保護施設で”畳み掛けてくる”のは、せっかちな係りの人ばかりではないから。
居合わせる引取り希望のイタリア人たちさえも「あの子にしなさいよ」「この子いいわよねーホラッ!」「決めちゃいなさいよー」とけしかけてくるのです。
怒涛のご推薦にグラグラしないことは、イタリア暮らしで大切なことですが、まさか犬との出会いにまで…イタリア人ってホントおせっかいw!
そうして、「ハイハイ、そうですねー」と冷静に流せるようになったころ、子犬がキャンキャン、イタリア人たちがワーワーする、とてつもなく騒がしい子犬ゾーンで、
ピンキー(夫)が告白をしました。「あの小さな子に、心を奪われている」と。
なぬー?!
欲しい犬のコンセプトを名前で表現してみよう
さて、ここでもう一つ。私たちの「犬を飼うぞプロジェクト」で、子犬探しに必要であろうと思われたことがあります。
それは、名前。
なぜなら、企画はなんと言っても、タイトルが大事。それがコンセプトであり、タイトルが決まれば、自ずと中身は決まってくるものだからです。
名前を決めれば、自分たちがどんなワンコと暮らしたいのかイメージできるし、チーム(夫婦)のコンセンサスもとれるはず。と言うことで、まだ見ぬうちの子の名前を、探し始める前に決めていました。
先に決めたまだ見ぬうちの子の名前
プロジェクトで決定していたその名前は、
Bonneuf-TakeshiYamato
ボンヌフ・タケシヤマート
ボンヌフは、フランス語で「良い新しい」。フランス語話者からは「はぁ?」なダブル形容詞ですが、私が”好きな単語”の組み合わせ。ポンヌフ(新橋駅前のポンヌフを先に思い出すけど)のパロディ的な。
で、ミドルネームは、ピンキー(夫)が決定。「犬にミドルネームってw!」がすでに日本人からは「はぁ?」だし、タケシ・ヤマトってダブルネームwww。外国の名前にはよくありますけどね。マリア・グラッツィアとかジャン・ルイジとか。
お互いの「はぁ?」バトルな名前となりましたが、なんだかとっても”こう言う子”(どんな子w?)がいいなーな感じで、夫婦で一致していました。
※ピンキー(夫)の母国語はフランス語なんですよー。
ボンヌフ・タケシヤマートはこの子だった!
ピンキー(夫)が1人静かに恋に落ちていた子は、、、どの子?
「…あの子だよ」とウフフと指差した先には、キャッキャとざわめく子犬の群れの中で、ひときわ静かな雰囲気を纏ったシックなムードの子がいました。
その姿は…エッフェル塔の下で、うるさくはしゃいで道を塞ぐイタリア人観光客に、クールなまなざしを向け、騒ぎが行き過ぎるのを静かに待つ自転車に乗ったフランス人のような佇まい。
ピンキー(夫)が「子犬は、どの子も小さくて可愛いけど、ずーっとこの大きさってわけじゃないからねぇ。大きくなったところも想像しないとね。」と言っていたのを思い出しました。
…この”自転車に乗ったフランス人”が、大きくなったところを必死に想像してみると……、
ピーン!
うん、いいかも(°∀°)b!
あーこれか。これが、ビビビッか。
そうか~!そうかそうか!

やっと、会えたね♡!!!
見た瞬間のビビビッをイメージしていましたが、そういうわけでもないんですねー。じんわりと、ビビビッときましたよ。それがまた、静かな佇まいのこの子に合ってる感じもしました。
イタリアの保護施設、決定から正式譲渡までの1週間
やっと出会えた私達の運命のワンコ。今回ばかりは力強い決断ができました。
保護施設では、決定から諸々の書類上の手続きをした後、約1週間待機。そして、やっと連れて帰る(正式譲渡)ことができます。
約1週間の待機期間に何をするかといえば、子犬に必要なワクチン注射や健康チェックをしてくれるわけですが、そこで思いもよらぬことを言われて驚きました!
譲渡待機中に、チェックが必要なのは子犬だけじゃない?!
待機期間中に、保護施設から電話があったので、「ちょっと早いね?でも、準備ができたから、明日きてくださいも?」などと、ワクワクして話を聞いてみると、
「気持ちは変わってないですか?」
と、言われたのです。
正式譲渡を待つ間に、気持ちや状況が変わることもよくあることで、引き取り日に「やっぱり、いいです」とか、引き取ってから「やっぱり無理でした」とならないように、事前に再確認をするのだそうです。
なるほど…。私のような優柔不断な飼い主も困りますが、体調を崩すとか、家族構成が変わってしまうなど、予期せぬ出来事もあるから、必要な確認だな。と思いました。
「断られるなら早めがベスト。犬たちが新しい飼い主に出会える機会は、1日でも多い方が良いから」とのこと。まったく正しい措置だな。と感心もしました。
もちろん「大丈夫ですっ!」と力強く確約しましたよ!
この緊張感は、イタリアならでは?!
そして、1週間後。「準備完了!明日来てね〜」の嬉しい連絡がありました。
そこからは、もうドッキドキ♪です。
「うちに慣れてくれるかな」「うまくやっていけるかな」はもちろんだけど…何に一番ドキドキしたかと言えば?!
違うワンコが用意されてたらどうしよう?!
ですよ…。
だって、ここはイタリアw。想像の斜め上のことが起こりがちな国。書類の管理とか…間違えがないとは言い切れませんからね。
保護犬ボン先輩がうちの子になった日
そうして眠れぬ夜を過ごし、パレルモには珍しい小雨が降り注ぐ寒い朝。カニーレへ向かい…指先が冷たくなるほど緊張して待っていると、
そこに現れたのは…、ちゃんとあの子でしたっ!
あ~よかった!!!
獣医さんの最終チェックで聞かれた言葉の意味…
引き渡し直前にも、獣医さんのチェックがありました。

成長、早いなぁ…。それにしても、怯えてる?よね。コワイのかなぁ?

目を合わせないようにビクビクしている小さな子犬…。今日からこの子がうちの子になるのかぁ。なんだか涙が出てきました。

すると、獣医さんが「ちょっと風邪気味なのよね」と言いつつ、こんな言葉を続けました。
「もう少しこちらで様子見る?コホコホ咳はしてるけど、熱はないから暖かいお家で大切にしてもらえれば回復は早いかもだけど…どうする?」
え?もちろん、連れて帰りますよ!暖かくして大事にします!
そして、正式譲渡となりました!

で、後で聞いたのですが、獣医さんの「もう少しこちらで様子を見る?」は、
「このまま弱ってしまう可能性もあるから、”生き延びられるかどうか”様子を見る?」
の意味だったそうです…(≧д≦)!
子犬の命は儚い。体力もないし、管理が割としっかりしてるとはいえ、お家のようにヌクヌクはないから…弱い子だと生き延びられないらしいです。。。
さあ、今日からここがキミの家だよ
小雨降る中、我が家に初到着!
さあ、今日からここが君の家だよ。なーんて言っても、知らないおじさんとおばさん、知らない匂いのどこかに連れてこられた小さなワンコ。不安が全身からほとばしっていました……。

大丈夫だよ!安心して。と声をかけ続けていると、ちょっと周りに興味が湧いてきた…様子。

そう、そうだよ!
今日から、ここがキミのお家だよ!
ボンヌフ・タケシヤマート君、
どうぞよろしくね♡!
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▼その後、なぜボン先輩になったのか



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