イタリアの立ち位置は?ドラギ首相のウクライナ演説と人道的緊急事態宣言

スポンサーリンク

どうも皆さま、ボンジョルノ♪

今日、ウクライナ侵攻とイタリアの立ち位置に関して、イタリアのドラギ首相の演説がありました。あんまり力強くて、ちょいちょい拍手も巻き起こっていたので、ちょっとご紹介しますねー。

「そうか、そういう心持なのか、イタリアは」がなんとなくわかると思います。

今日は、同時刻に欧州議会でウクライナのゼレンスキー大統領のオンライン演説もあって、そちらもスタンディングオベーションで歓迎されました。

なんですかね〜欧州というか民主主義国が一体化して怒ってる雰囲気ですねぇ。

そうしてまた「世界中を敵に回しても…」のフレーズを思い出すわけです。

あ、話がそれるので本題へ。

イタリア・ドラギ首相のウクライナ問題演説

とても長いので、抜粋&意訳で行きます!

ロシアのウクライナ侵攻は、ヨーロッパの歴史における1つのターニングポイントを示しています。

この数十年、多くの人が、もはやヨーロッパ内での戦争は起きるはずはないと思い込んできました。

あれは再現されることなどない20世紀の怪物であり、欧州連合の創設により統合された経済・政治が暴力を遠ざけ、第二次世界大戦後に設立された多国籍機関が、私たちを永遠に守るはずなのだから、と。

私たちは、前世代が莫大な犠牲を払い、勝ち取ってきた平和、安全、幸せを当たり前のように享受してきました。

欧州での自由を求めて戦っているキエフ、ハリコフ、マリポール。そのほかのウクライナの各所から届く映像は、その幻想の終わりを示すものです。

ウクライナの人々と彼らのゼレンスキー大統領の英雄的な抵抗は、私たちの目の前に新しい現実と、数ヶ月前までは想像もできなかった選択をする義務を突きつけました。

イタリア政府、イタリア国民、そして私は、レゼンスキー大統領、ウクライナ政府、ウクライナ市民の皆さんと共にありたい。そして、大切な人々のために過酷な日々を送るイタリア在住の23万6千人のウクライナ国籍の皆さんに、親愛を送ります。

私たちはあなたたちのそばにいます。

と、始まるドラギ首相の演説は、30分以上も続きました。

このウクライナへの連帯表明のあたりでスタンディン拍手が起きて30秒くらい鳴り止まず(2分10秒あたりから)。

ウクライナ支援が目的の人道的緊急事態宣言発出

めちゃくちゃ長いので要点を。

まず、イタリアがウクライナ支援として最初に重点を置くのは、人道的支援と難民救出です。

現地に残るイタリア人の支援はもちろん、人道的支援を必要とする推定1800万人、国内避難者600万〜750万人、国外避難は300万〜400万人のために、すでにキエフへ1億1,000万ユーロの緊急融資、赤十字への初期寄付として100万ユーロ、4トン以上の医薬品、テントやベビーベッドなどを提供しており、さらに人道・物資の支援を行う準備ができているとのこと。

そして、2022年3月31日で終了予定だった緊急事態宣言は、12月31日まで継続になりました。コロナの緊急事態は、期日通り終了だけど、目的を変えて追加継続という形ですね。

国家緊急事態基金からの拠出を可能にするため、イタリアは2022年12月31日まで、イタリアからウクライナへの最大限の援助を可能にすることを唯一の目的とする人道的緊急事態宣言を発令します。

イタリア国内での滞在保護、また1年間EU内で有効なビザの発行なども実施されます。

で、その次に来るのが、防衛です。軍事装備、兵器、車両の提供中で、空軍はすでにルーマニアに配備され増強予定。海軍もNATO軍指揮下にありますが、目的は国境防衛です。

これ以上、戦いが拡大しないことを祈りますよ…。万が一拡大してNATOがロシアを攻撃したら、もう第三次世界大戦…だもの。。。

エネルギー問題は今後も長期的目線で改革へ

そして国内問題。

イタリアは40%以上をロシアのガスに頼っているので、人道的な面でロシアの暴挙に怒りを覚えるイタリア人は多いですが(アンケートでも、たしか80%近かったかな)、同時にエネルギー不足による高騰やインフレに恐怖も感じているのが実情です。

でも、とりあえずロシアのガスが明日止まっても問題はないくらいの貯蔵があり(25億立方メートル)、夏は越せるそう。

ですが、冬に向けてアルジェリアやアゼルバイジャンとのガス輸入の増加、気候目標の中での火力発電所の稼働、また次世代EUプログラムで実施してる再生可能エネルギー政策の推進、投資等、着手してるとのことです。

(冬まで続くの@@?!)

イタリアはほかの欧州諸国よりもロシアへのエネルギー依存度が高いため、制裁措置による打撃は他国以上だと予想されるが、だからと言って、私たちが信じる正当である制裁を支持する決意を変えるものではない。

長期的にも、一国依存の解消やや新エネルギーの開発など、新しい財政・エネルギー戦略を見直す方向です。

あーそういえば開戦以来、ガスを極弱火にするといつの間にか消えてることがしばしばって、こんなところに影響が?!と慌てましたが、まったくの気のせいですw。それでなくても今年はガス・電気代がそれぞれ約60%UPくらいになると言われてて、恐ろしいですよー。夏は太陽光でシャワーだな。。。w

ロシアのウクライナ侵攻は、民主国家間の概念に対する攻撃

そして、締めくくり。

ロシアの侵攻は、ウクライナだけの問題ではありません。これは、規則と権利に基づく私たちの国家間の概念に対する攻撃です。力によって国境が無理やり引かれる体制に、ヨーロッパを戻すわけにはいきません。民主的主権の尊重は、永続的な平和の前提条件です。

アルチーデ・デ・ガスペリ*が言った”より人間的でより公正な世界を構築するため”に、ほかの国との協力が欠かせないことを、イタリア人は知っているはずです。

今日、私たちが支援する戦い、明日払う犠牲が私たちの原則と私たちの未来の防衛につながります。
議会の支持を求めます。

グラッツェ。

*アルチーデ・デ・ガスペリは、イタリア共和国初代首相、欧州連合の父とも呼ばれる政治家です。

拍手喝采。

うーん。知的な香りもする良い演説でしたし、“あんなこと”はもう2度としないと長い歴史の中で作り上げてきた自由と平和を侵すな!という怒りが伝わってきました。。。

早く諦めて欲しいです、プーチン。

コメント

タイトルとURLをコピーしました