海外で納豆を手作り!完全版レシピ|発酵温度・時間・失敗しないコツを解説

どうも皆さま、ボンジョルノ♪

長年の夢だった納豆作りに挑戦し、そして、今まで一度も失敗なく、美味しい納豆を楽しんでいます!

プロローグ:納豆作りを始めたのは、コロナ禍だった

日本並みに納豆が手に入る街。そんな夢の街が、世界のどこかにあるのかもしれませんが、とりあえずパレルモでは困難です。

極々たまに、カッピカピの冷凍納豆が3パック5ユーロ以上などという、ふざけた値段で売っているのを見かけるくらい。

だから、帰国するたびに、冷凍して持ち込んでいました。が、コロナ禍で帰国もままならなくなり、冷凍庫に残る希少な納豆をチビチビ食べ、最後の納豆パックが終わりそうになったあの時。

最後の一粒を食べてしまったら、それはすなわち、”納豆菌”がこの街から消失。手作り納豆の発酵の元になる納豆菌すら無くなったら…!と慄き、侘しい気持ちで冷凍庫を見つめていた時に、

「もう…もう…こんな恐怖と貧乏くさいのは、嫌なんじゃ!」

と叫ぶ心の声が聞こえました。そして、震える手で、Amazonでヨーグルメーカーをポチッと…したのが、納豆作りに着手したきっかけです。

あれ以来、一度も失敗なく、美味しい納豆のある暮らしを送っています!

基本の作り方から、当初疑問だったこと、検証した結果をまとめました。海外で納豆のない暮らしに苦労されている方、日本でも手作り納豆の喜びを味わいたい方のお役に立ったら嬉しいです♪

【完全版】手作り納豆レシピ ー意外と大事な下準備

「海外、納豆、ヨーグルトメーカー」などと検索すれば、海外在住の皆さまの納豆作成記録がバンバン出てきますが、微妙にそれぞれ違って混乱しますが…検証の結果、我が家では以下のように作ってます♪

手作り納豆レシピ|用意するもの

・納豆パック   1/4 もしくは、納豆菌 付属の極小さじ 1程度
・大豆(水煮缶) 300g
・煮沸用熱湯(500mlくらい)

<道具類>
・大きめのボウル
・中ぐらいの大きさのボウル
・ザル
・スプーン (大)
・小鉢(グラスでもなんでもOK)
・キッチンペーパー
・発酵用容器(ヨーグルトメーカー付属品、もしくは、ヨーグルトメーカーに入るガラス瓶)
・鍋と蒸し器(大豆を蒸す用)
・ヨーグルトメーカー

手作り納豆レシピ

材料・道具を揃えたら、早速納豆作りを始めます!

納豆レシピ 完全版】

①. お湯を沸かす。

②. 大豆の水煮缶を中ぐらいの大きさのボウルに開け、水洗いし(保存料などを洗い流す)、ザルにあげ、蒸し器に移し、強火で蒸し始める。沸騰してから、概ね3分くらい。大豆を親指と薬で持ち、フニっと軽い力で潰れるくらいがベスト(納豆菌が入り込みやすい)。火傷に注意!

③. お湯が沸いたら、ボウル(大)、スプーン、小鉢、発酵用容器を流しに置き、全体に熱湯をかけ回す。発酵容器は、使用するまで清潔な布巾に伏せておく。火傷に注意!

雑菌が混ざると納豆菌の活動の邪魔になるらしいので、この行程がとーっても大事。熱湯をかけた後は、埃を立てたり、おしゃべりも禁物にしていますw。

④. 小鉢に納豆パック1/4を入れ、熱湯を大さじ1〜2程度加えて、スプーンでかき混ぜる。

⑤. ②の大豆をボウル(大)に移し、④を加えて、スプーンで優しく混ぜる(全体に菌を行き渡らせる)。

⑥. ⑤を、発酵用の容器に移し(器の高さの1/2程度がベスト)、ヨーグルトメーカーにセットして下準備完了。

ここまで、慣れてくると10分くらいでできますが、大事なポイントが2つあります。

【ポイント|失敗しないために!】

・水煮缶の大豆をよく洗う&良い加減に蒸す
・使用する道具類を熱湯消毒&清潔に保つ。

これで基本的な作業は終わり。次は、発酵に移ります!

納豆の素になる納豆菌はどうする?

ところで、納豆を作るには、納豆菌が必要です。納豆パックから第2世代の納豆を派生させる。もしくはAmazonで買える納豆菌を活用しています。

粉末納豆菌 2本セット(高橋祐三研究所製造)

納豆菌は、実は日本に3種類しか存在しないらしいですよー。で、そのうちの1つ、高橋研究所の納豆菌をアマゾンで購入可能!気軽に研究所から菌が買えるなんて…なんだか萌えます。パッケージもオシャレw。

最初に手にしたのは、コロナ禍。一時帰国中の友達がローマまで運び、ローマからバカンスでシチリアに来た別の友達が運び、バカンス先のラグーサで、とうとう私の手に!粘り強い納豆の糸のように繋がった人とのご縁と、協力してくれた皆に感謝炸裂しました!

【完全版】手作り納豆レシピ ー発酵温度と時間&熟成

さて、次は納豆作りの醍醐味、発酵です!

温度と時間についてはいろんな情報を見ると、45度/24時間が意外と多かったけど…、

検証の結果:41度/18時間

にしています。

18時間後、納豆菌がしっかり発酵し白い菌膜で覆われた状態。こうなったら大成功!

外気温やメーカー、納豆菌の元気さなどで変わると思いますが、我が家では、これが最適解でした。

発酵完了後(18時間後)は粗熱を取り、冷蔵庫で24時間。まるまる1日熟成させて、出来上がりです!2、3日発酵させるとちょうど良い感じ。なんなら、4、5日発酵でも美味しいです。

高橋菌の子孫たち、お元気そうで何より!

香りは、市販のものより弱めで、いわゆるアンモニア臭はほぼなく、香ばしい豆の香りが強めお醤油とネギで十分美味しい!味わい深い納豆ができます。

ビヨーン!おかめ納豆1/4で作った初回の出来栄え。初回からこのレベルに到達できましたよー簡単!

初回時は、感涙しましたねぇ…。日本から持ち込んで、もったいなくて食べられなかったおかめ納豆。ミイラ化していた長期冷凍保存のおかめ納豆から、とうとう新世代の納豆が生まれた瞬間でした。

ネギも入れちゃう♪サイコー!

ここから第2世代、第3世代…と受け継いでいけば…、無限納豆の世界納豆在庫切れの不安のない世界が目の前に広がった瞬間でもありました。

VIVA NATTO!

いわゆるリエビトマードレ(母酵母)と同じですね。パン生地の一部を保管して、延々と百年、2百年と続けていくイタリアの伝統芸。かつて友人の祖母の代から3代続く貴重なリエビトマードレを譲り受けたものの、3日で殺した経験がある身としてはマードレ納豆も扱いに気をつけなければなりませぬ。

納豆のタレはどうする?

と言うわけで、香ばしく、納豆のタレがなくても醤油でいける。納豆になっていますが、やはりタレでも食べてみたい。とタレのレシピを検索し、作ってみましたが、面倒くさいw。

結果的に、これです!

ええ、佐々長ですよ。佐々長サイコー!生卵ごはんにもサイコー!(そう、イタリアでも低温調理器で生卵ごはん、食べてますよ!サイコーw!)

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さて、こんな感じで思いのほか、「納豆って簡単に作れるんだなー(失敗なし)」と楽にw生きていますが、この完全版レシピができるまで、多々検証も重ねてきました。

途中かき混ぜても良いのか?蓋はどうするのか?などなど、もうほとんど実験でした!←楽しかったw。

ここからは、検証の記録をご紹介します。

<検証1>ヨーグルトメーカーで発酵経過観察

さて、ここからは、納豆作りの最適解を見つけるまでの検証の様子をご紹介します。

中蓋は必要なのか?発酵に酸素は必要だから、軽くのせる・なしの2パターンで実験してみた。

手作り納豆の発酵の様子

まずは、発酵の時間ごとの納豆(大豆)の観察から。

ネット検索した結果、最も多かった「45度、24時間」に設定し、初の納豆発酵にチャレンジした時の様子です。

発酵から4時間後

”大豆っぽさ”が減り、やや”納豆っぽさ”が増して納豆度20%になりました。

納豆菌がじわじわ活動してる感じが見て取れる

手作り納豆、発酵から18時間後

発酵容器の上部の納豆は、カサカサ。白い膜のようなもので覆われていました(納豆菌)

しかも容器の内側が水びたし…中蓋あり、なし無関係で、ほぼ同じ状態。

発酵で大量の水滴が発生!キッチンペーパーで拭き取り、蒸気が発酵容器内に戻らないよう布巾をかけました。

布巾を乗せて、水滴防止(現在はキッチンペーパーでやってまーす)

この時、「もうダメかもしれない…水没した大豆たちは、納豆になりきる前に腐るのかもしれない」とガッカリしたましたが、ちょいちょい布巾をめくっては水滴を吹き、熱湯消毒した箸でかき混ぜてみたりして、納豆菌の生存状況を観察しながら培養続行しました。

手作り納豆、発酵から23時間後

「んーもうこれは、納豆?納豆で良いですか?!」な雰囲気にナットます!いや、なってます!

しばしばかき混ぜていたせいで、白い膜に覆われる美しい完成図は見られませんでしたが、納豆っぽい良い香りです

もう、これ以上は発酵しなくて良さそうです。23時間でストップしました。

「君たちは、…納豆だよね?」と問いかけると、

「ああ、そうだよ。」と声が聞こえた気がした納豆たち。かき混ぜすぎて、すでに泡立ってる

初回から、良い感じにできました!

<検証2>納豆作り実験、発酵温度・時間の最適解を見つける

初回の「45度、23時間」は、体感的に熱い&長すぎるのでは?と感じたので、

・最適な発酵時間と温度の関係
・途中でかき混ぜた時の影響

を検証してみました。

全国納得協同組合連合会のサイトや工場動画、論文などを参考に、より実践的な方法で試行錯誤を繰り返してみました!

納豆菌の働きや納豆になる仕組み、栄養素などを理解してみると、ますますハマる納豆作り。日本食品化学工学会誌に掲載された「納豆発酵過程での香気成分の変動」は面白かった!

温度45度で、発酵時間を検証(+途中でかき混ぜるかどうか問題)

X群:発酵16時間
Y群:発酵18時間

A:かき混ぜない
B:発酵時間経過後かき混ぜる
C:気ままにかき混ぜる

キッチンが、実験ラボに

結果
<引き具合>

X群<Y群
A>B>>>C

<水っぽさのなさ>

X群<Y群  
A>B>C

じゃ、YでAじゃんw?

つまり、発酵時間18時間、途中でかきまぜないのが最も良好(雑菌の混入が避けられるから当たり前といえば当たり前)となりました!

発酵温度の最適解は?!

次は、最も優秀だったY群のAの発酵温度を順に変えて作ってみました。すると、41度が最もネバネバ度高めにできました。

そこでハタと気づく。

あ、ヨーグルトメーカーのNATTOモードの押すと18時間41度と出てくる。つまり、デフォルト設定が最適解だったのでしたw。

イタリアメーカーなのに「NATTOモード」がある奇跡のヨーグルトメーカー!NATTOモード、それは温度と時間だったw

…メーカーさんはご存知だったのですね。意外と信頼できるんですね(なにしろイタリアメーカーだからw)。

【検証の結果】

・ヨーグルトメーカーの中蓋はどうする?→なくてOK。
・発酵温度/時間は?→41度/18時間
・途中でかき混ぜた方が良い?→かき混ぜない方が良い。

納豆作りは、納豆菌の培養。自然相手は、トライ&エラーが基本ですが、検証中にもエラーがなかったのがミソです。→結構、簡単に納豆ってできちゃうんだなーの印象です。

そういえば、大学時代に卒論用にとある菌を培養をした経験が、こんなところで活かされるとは!慶応大学理工学部応用化学科卒のリケジョです。やはり、すべての旅は自分につながっているんですね。

おまけ:海外で納豆作り研究その後

・シチリアの太陽で作ってみた!

・イタリア人って納豆食べるの?実験

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